第2次安倍政権が発足した2012年12月から約2年半、官邸取材を担当した

 第2次安倍政権が発足した2012年12月から約2年半、官邸取材を担当した。その間、多くの政治家や官僚を取材したが、先日、経済産業審議官を退任した柳瀬唯夫氏もその一人。

 当時、彼は首相秘書官。総理番だった私は夜回りでたびたび自宅を訪れた。口が堅く、なんら成果は得られなかったが、基本的にはいい人。「総理はすごいよ」が口癖で、番記者の間では“小役人”とやゆされることもあった。そんな彼が首相の許可なく、加計学園や愛媛県の関係者と面会したとは到底思えない。

 森友学園を巡る公文書改ざん事件で更迭された前国税庁長官の佐川宣寿(のぶひさ)氏しかり、彼らは政権を守りきった功労者。安倍首相が自民党総裁選で3選を果たした暁には、きっとおいしい天下り先が用意されるのだろう。ただ、その代償は「国民を欺いた駄目官僚」という生涯消えることのない汚名であり、同情を禁じ得ない。 (金子渡)

=2018/08/11付 西日本新聞朝刊=

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