フランス・パリのルーブル美術館で名画「モナリザ」を初めて鑑賞した駆け出し記者の頃

 フランス・パリのルーブル美術館で名画「モナリザ」を初めて鑑賞した駆け出し記者の頃。帰国後、芸術団体が主催する酒席がたまたまあり、あいさつを求められた。すると事前に旅の話を伝えていた司会者から突然、モナリザの感想を聞かれた。

 美術の知識は全くなし。しのぐ言葉も浮かばず「ほとんど興味はなかったのですが、なぜか絵の前で動けなくなり、買いたくなりました」と本音をさらけ出すと、どっと笑いが起き恥ずかしかった。ただ、あいさつの後に「興味がない人にでも瞬時に買わせたいと思わせる。本物とはそういうもの。いい話を聞かせてもらったよ」と専門家の一人に声を掛けられ、救われた。

 モノがあふれ、デフレ下の昨今、本物こそが生き残る-。テレビで力説する経済学者を見ていてモナリザの話を思い出した。情報も同じ。一時のウケを狙いすぎず、本物の情報で読者にほほ笑んでもらいたい。 (坂田恵紀)

=2019/01/12付 西日本新聞朝刊=

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