「オトウサン」

 「オトウサン」。私のことをそう呼んでくれるフィリピン出身の親類の女性(31)がいる。マニラ首都圏で、30人ほどが寄り添う大家族に育った。努力家で勉強を頑張る。こちらを頼って3回、九州を訪れた。日本が好きで、彼女が母国の大学を卒業するまで物心両面で支えた。

 卒業後は移民としてシンガポール、香港と渡り、非正規労働者として働いた。数年前、米総合情報サービス大手の香港現地法人の正社員に。中国市場を担当していたが一念発起し、3月にカナダへ移住する。カナダの現地法人が彼女を引き受け、仕事の現場は北米市場に移るそうだ。

 海外では昔から生活者、労働者としての人の往来は盛んだ。翻ってわが国は? 人口減少社会に対応しようと、労働力を海外に求める動きが加速する。受け入れる日本人、成功を夢見て日本を訪れる外国人、双方が幸せを実感できる仕組みづくり、風土醸成が求められる。 (庭木香充)

=2019/01/22付 西日本新聞朝刊=

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