「お父さんに会いましたよ!」

 「お父さんに会いましたよ!」。1月、故郷の屋久島(鹿児島県)で暮らす福岡出身の知人から数年ぶりに連絡があった。島の住民が集落の魅力を伝える「里めぐり」に参加したところ、私の父がガイドをしていて驚いたという。帰省の際、父に話を聞いた。

 いま、島では七つの集落が里巡りに取り組む。私の出身集落は約10年前、過疎化対策として始めた。千円の追加料金で振る舞う「島料理」などが人気で、参加者は年々増加。父を含むガイドの3人は「ここを気に入り、暮らし始めた人もいる。観光客が歩いているだけでにぎやかになる」と口をそろえた。

 ただ、人口減少のスピードは想像以上だ。30年前、約300人だった集落の人口は約170人に減少。ガイド3人は70~80代で「1人欠けたら続けられない」と話しているという。どうすれば父親世代の地道な努力を無駄にせず、地域を維持できるのか。自問が続く。 (田中良治)

=2019/03/16付 西日本新聞朝刊=

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