「筑後の詩の源流」に迫る 幻の詩人、青木勇の詩稿ノート発見機に 資料展を初開催、小郡市 [福岡県]

展示されている青木勇の詩稿ノート。推敲の跡が見て取れる
展示されている青木勇の詩稿ノート。推敲の跡が見て取れる
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筑後の同人文芸誌で活動を共にした青木勇(後列左から3人目)と野田宇太郎(後列左端)=1930年代撮影
筑後の同人文芸誌で活動を共にした青木勇(後列左から3人目)と野田宇太郎(後列左端)=1930年代撮影
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 小郡市大板井の野田宇太郎文学資料館で、野田や丸山豊といった筑後の詩人たちに影響を与えた青木勇(1904~90年ごろ)の関連資料展が初めて開かれている。「筑後の詩の源流」とも評される詩人だが、資料がほとんど残っておらず、研究は進んでいない。昨年、草稿の書かれた詩稿ノートが発見されたのを機に企画された展示で、幻の詩人の姿に迫る内容になっている。

 青木は久留米市出身。1930年、久留米市で同人文芸誌「街路樹」を丸山らと創刊。その後、丸山や野田ら4人と「ボアイエルのクラブ」を結成した。野田の文章によると、最年長の青木は欧州文学を広く読み、シュールレアリスム(超現実主義)の作風で若い詩人に刺激を与えていたという。この頃、詩集2作を自費出版したが確認できる活動期間は6年間のみ。晩年は大刀洗町で過ごしたが、詳細は分かっていない。

 詩稿ノートは金箔(きんぱく)を押した革表紙の高価な市販ノートに序文や詩などを書き込んだもので、北九州の男性が古道具市で購入。中に「青木勇」のサインを見つけ、昨年夏、同館に連絡した。推敲(すいこう)の跡や内容などから青木本人のものと判断したという。同館によると、詩集に未収録の作品も書かれており、学芸担当専門員の渡辺恵さん(33)は「もっと長い期間、創作活動を続けていた可能性がある。今後も調査を続けたいので、青木に関する情報があればぜひ寄せてほしい」と話している。

 資料展は6月18日まで。詩稿ノートのほか、代表作のパネルや野田と一緒に写った写真など約30点を展示している。入館無料。

=2017/05/20付 西日本新聞朝刊=

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