大刀洗町農産品輸出に力 ブランド力向上へ着々 香港高級レストランから視察も [福岡県]

「色の濃いイチゴ、薄いイチゴを皿に並べて使いたい」。アイデアを語るシェフのマキシム・ギルバートさん(右端)
「色の濃いイチゴ、薄いイチゴを皿に並べて使いたい」。アイデアを語るシェフのマキシム・ギルバートさん(右端)
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 国が農産物の輸出増を掲げる一方で、輸送コストや採算性など課題は少なくなく、小規模の事業者は取り組みづらいのが現状だ。こうした中、大刀洗町は、富裕層向けの海外輸出実績を積み重ね、地場産品のブランド力向上に役立てようと取り組んでいる。

 昨年12月、香港在住のフランス人シェフ、マキシム・ギルバートさん(35)とスタッフ計4人が町を訪れた。2月に香港でオープン予定の高級レストラン「エクリチュール」で使用する食材を選ぶのが目的。

 ギルバートさんは「ミシュラン」で三つ星に格付けされたレストランシェフ、ヤニック・アレノ氏の側近としてモロッコや北京店をオープン後、ランドマーク・マンダリン・オリエンタル香港で料理長を務めた。独立し、和食とフレンチを融合させた新店を開業する。「フランスと同じ品質の食材を手に入れるには、豊かな四季が重要。大刀洗は適している」と満足げだ。

 この日は、カリブロや芽キャベツなど珍しい野菜を育てる農家、イチゴ農家、蔵元「みいの寿」を訪問。白、ピンク、赤と色の異なるイチゴを肉料理に使おうと買い付けを決めた。日本酒は既に導入しているが、蔵元を訪ねたのは製造過程をスタッフと共有したかったからという。「日本の多彩な食材に触れ、新たなアイデアがひらめく。チームと一緒に最高の店にする」と意気込む。

 町は2016年から計5回、香港からの視察を受け入れた。多くが富裕層を相手にする高級店のシェフで、徐々に導入実績も上がっているという。地域振興課の担当者は「1件ごとの単位は大きくなくても、“星付きシェフも使っている”という価値を、特産品の魅力として伝えていきたい」と期待する。

=2018/01/14付 西日本新聞朝刊=

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