矢部川、星野川学ぶ入門書 筑後市の郷土史家野田さん出版 「本を手に流域訪れて」 自然、歴史、文化を網羅 [福岡県]

「本を手にフィールドを訪れて」と呼び掛ける野田英作さん
「本を手にフィールドを訪れて」と呼び掛ける野田英作さん
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 筑後郷土史研究会理事の野田英作さん(65)=筑後市水田=が、矢部川と星野川流域の自然や歴史、文化を網羅した「川の自然文化誌 矢部・星野川流域を歩く」を出版した。源流域の釈迦岳・御前岳(八女市)から有明海に注ぐ河口(柳川市)までを丹念に訪ね歩いた労作で「本を手に流域を訪れ、川について学んでほしい」と呼び掛けている。

 野田さんは柳川市出身。西南学院大でワンダーフォーゲル部に所属し、全国各地の山に登った。民間企業を経て中学校の社会科教員となり33年間勤務。2012年に柳川市立柳城中を退職し、本の執筆を始めた。

 「自然・環境編」と「文化・歴史編」に計15話を掲載。いずれも「森・川・海のつながり」と「川と流域住民」がテーマとなっている。第1話の「矢部川って、どんな川?」は、福岡・大分・熊本3県境に位置する三国山北麓が源流となることを解説。第2話の「分水嶺(れい)を歩く」は、登山愛好家らしく各山々の山頂からの展望、カラ迫岳(八女市)の金山跡など登山ルートの見どころなどを紹介している。

 執筆の原動力となったのは、度重なる自然災害とその後の復旧工事により、流域に残る原風景が失われていく事への危機感だった。源流域の広葉樹の森は徐々に減少し、林業の衰退でスギ・ヒノキの針葉樹林も荒れ果て保水力を失い、水害時に流木被害の原因となっている。

 野田さんは「河川環境と流域住民の安全のために河川改修は必要だが、もっと自然に配慮した工法が必要だ」と訴える。本を「矢部・星野川学の入門書」と位置付けており「川を知ることが、川を愛するきっかけになる」と話す。

 櫂歌(とうか)書房から500部を出版。柳川市内などの書店に並ぶ。1944円。

=2018/01/27付 西日本新聞朝刊=

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