青春の素晴らしさ感じて 映画「野球部員、演劇の舞台に立つ!」の原作者竹島由美子さん 八女で撮影24日から全国公開 実話映像化「懐かしい」 [福岡県]

映画「野球部員、演劇の舞台に立つ!」のチラシを手にする原作者の竹島由美子さん
映画「野球部員、演劇の舞台に立つ!」のチラシを手にする原作者の竹島由美子さん
写真を見る
試写会で舞台あいさつをする中山節夫監督(左から2人目)=昨年9月
試写会で舞台あいさつをする中山節夫監督(左から2人目)=昨年9月
写真を見る
映画の原作になった竹島さん著の「野球部員、演劇の舞台に立つ!」
映画の原作になった竹島さん著の「野球部員、演劇の舞台に立つ!」
写真を見る

 八女市の高校であった実話を基にした映画「野球部員、演劇の舞台に立つ!」が24日から全国公開される。野球強豪校の部員が演劇部に助っ人として加わるというストーリー。最初は反発し合っていた両者が、それぞれの立場を理解し、成長していく姿を描く。当時演劇部の顧問だった竹島由美子さん=八女市在住=の同名のドキュメンタリー(高文研刊)が原作になっている。公開を前に竹島さんに映画への思い、伝えたかったメッセージを聞いた。

 -いよいよ映画公開、今の気持ちは。

 「2010年に原作の試し刷りを読んだ中山節夫監督から『映画化したい』と話があって8年になります。最初は実現できるのか半信半疑でしたが、こうやって形になったことに大きな喜びを感じています」

 -完成した映画を見た感想は。

 「野球部員と演劇部員のぎくしゃくした関係、それが次第に変わっていく姿がうまく再現され、当時を思い出して懐かしく感じました。俳優さんや製作関係者の力だと思います」

 -当時演劇部の顧問だった竹島さんの役を宮崎美子さんが演じた。

 「『あんなにかわいくて、優しくはなかった』と卒業生から非難されました(笑)。映画の中で、宮崎さんは野球部員を演劇部に連れて行き『後はあなたたちでやってね』と笑顔で生徒たちをほっぽり出す場面がありますが、実際はもっと強く言い放っていて、主演の林遣都さんが演じた演劇部OBに任せていました」

 -なぜ野球部員を演劇部の助っ人にしようと考えたのか。

 「演劇部はほとんどが女子。舞台に鍛え抜かれた男子がほしい、ということで秋の大会で予選敗退していた野球部員に目を付けました。教室を回って『野球部員さん、暇になったから演劇をしよう』とわざと挑発したんです。部員たちは激怒しましたが、野球部監督からの『野球だけの人間になるな』という後押しもあって、この取り組みが始まりました」

 -異例の試みの成果は。

 「交流が始まってすぐ、野球部員が『自分たち以外は部活だと思っていなかった。いろいろな部に必死で取り組んでいるメンバーがいるんですね』と監督に話したそうです。演劇は音響や照明など裏方が本当に大事。それまでスターやエースでなければいけないと考えていた野球部員が支える人たちの大切さを知り、他者を見る目が育ったのだと思います」

 「演劇部員たちも変身しました。感情を表に出せない子が多かったのですが、野球部員たちは演劇でも遠慮なく感情をぶつけ、そのパワーが伝わって、変わっていきました」

 -それを本にした。

 「原作では2003年から5年間の出来事を描きましたが、毎年ドラマだらけでした。これを記録しない手はないと思いました。熊本のフリーペーパーでの連載が評判となり、本として出版することになりました。映画になったのは03年から04年にかけての話。劇中では語られていませんが、この代の野球部は04年夏に甲子園出場を果たしているんですよ」

 -映画では八女の景色がふんだんに使われている。

 「撮影で演劇部の練習場として使われた旧白木小学校は、演劇部が毎年、子どもたちや地域住民の前で公演をしていた場所。撮影の舞台になったことはとてもうれしかったです」

 -作品を通じて最も伝えたかったことは。

 「若者が本気でぶつかり合ったら、素晴らしい奇跡が起こる、ということです。青春の素晴らしさを感じてもらえる映画になっていると思います」

 久留米市で上映 映画は24日から、T・ジョイ久留米(久留米市)やユナイテッド・シネマ キャナルシティ13(福岡市)、小倉コロナシネマワールド(北九州市)などで公開。3月17日からはシアターシエマ(佐賀市)でも上映する。全国共通の製作・上映応援券(1100円)を発売中。製作配給委員会=0943(24)9061。

=2018/02/17付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]