公共施設の電力入札 久留米方式、筑後で拡大 4市町で経費3割減 「新電力」の応札を後押し [福岡県]

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 久留米市が、公共施設の電力利用に安価な新電力導入を図るため、2015年度に始めた「久留米方式」と呼ばれる電力入札の独自ノウハウが、筑後地区の自治体に広がっている。17年度は小郡、大川、うきは、大刀洗の4市町が久留米方式を導入し、九州電力と契約した場合と比べ、それぞれ約3割(計約1億円)の削減につながった。

 久留米方式は、新電力会社の応札を促す取り組み。久留米市が15年度に全庁的に新電力を導入する際、先行する他自治体で応札がない入札不調や既存の大手電力会社の落札が相次いだことから、新電力側に聞き取りし「新電力の立場に立ち、新電力にとって魅力的な入札にしよう」(市設備課)と考案した。

 具体的には、従業員の少ない新電力の事務負担を軽減するため、自治体の電力入札が集まる年度末を避けて秋に入札する▽施設ごとの入札では契約電力が小さく不調になりやすいため、部局を超えて施設をグループ化して入札する▽立ち会い入札から郵送入札にする▽役所内の担当窓口を一本化する-など。

 市によると、15~17年度の契約による削減額は計4億8千万円を超え、入札不調はなかった。自治体の実践事例を発表する大会や行政職員向けの雑誌で紹介したところ、他の自治体から視察や問い合わせが相次ぎ、大牟田市と高知市が16年度、熊本市が17年度に久留米方式を取り入れたという。

 17年度に取り組み始めた4市町は、久留米市と「久留米広域連携中枢都市圏」を構成しており導入が決まった。4市町には電気系の専門職員がいないため、久留米市の設備課職員が各自治体に出向き、施設や契約内容の確認、見直しをして、導入を手助けした。

 17年度の契約による削減額は小郡市約3070万円、大川市約2900万円、うきは市約3160万円、大刀洗町約1340万円-に上るという。うきは市の担当者は「自分たちだけでは判断できなかったので、久留米市の協力はとてもありがたかった」と語る。

 久留米市設備課の河野英樹課長は「久留米方式はどこの自治体でも応用できる。出し惜しみせず教えたい」と話している。

 新電力会社は工場の余剰電力などを供給しており、2011年の福島第1原発事故以降、全国の原発が停止して電気料金が上がったことなどを受け、自治体でも導入が進んでいる。

=2018/03/15付 西日本新聞朝刊=

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