「主役は農産物」の広報誌 JAくるめ「With You」が好評 取材に奮闘「魅力伝えたい」 [福岡県]

広報誌を担当する竹島さん。慣れない取材活動や写真撮影に奮闘している
広報誌を担当する竹島さん。慣れない取材活動や写真撮影に奮闘している
写真を見る

 表紙いっぱいに地元の新鮮な農産物を登場させる広報誌がある。「JAくるめ」(久留米市)が毎月発行している「With You(ウイズユー)」だ。全国的にも高い評価を受けており、取材や編集を担う職員たちは「こんなにおいしい農産物が久留米で作られていることを伝えたい」と、管内を駆け回っている。

 発行は1万部。A4サイズで、オールカラーの24ページ。毎号、本所や支所の職員が他の広報物と一緒に組合員に手渡している。内容は、日々の話題から農業の豆知識、JAが扱う金融商品の紹介まで幅広い。本所企画広報課で、広報誌担当2年目の竹島翔吾さん(25)がメインで取材や執筆を担当し、先輩の高田光弘さん(36)がサポートする態勢だ。

 一番のインパクトは、やはり表紙。毎号、旬の野菜や果物を収穫直後や出荷直前の新鮮な状態で撮影する。以前は人物が入ったデザインが多かったが、広報誌のリニューアルに合わせて、2015年8月号から現在の形に。光の当たり具合や撮影の角度で写真の出来栄えが左右されるため、何度も撮り直し、100枚近くに及ぶこともある。

 「広報誌というより、農業の雑誌みたいだと言ってもらえることもある。評判は上々です」と高田さん。

 巻頭では、表紙の農作物の生産状況や保存方法などの紹介に合わせて、久留米信愛短大フードデザイン学科の学生が考案したレシピを掲載。「ミズナとはんぺんのお焼き」(4月号)、「キュウリのシャーベット」(3月号)、「イチゴと鯛(たい)のカルパッチョ」(2月号)。どのレシピにも若い感性があふれている。

 「がまだすファーマー」のコーナーでは、若手からベテランまで、1人の生産者を取り上げる。畑違いの仕事から農業を始めたり、定年後に実家の農業を継いだりと、登場する人の立場はさまざま。苦労話にとどまらず、就農のきっかけややりがい、農業にかける思いを聞き出しつづる。竹島さんは「毎回、同じような話にならないよう、いろんな質問を用意します。ただ、寡黙な人もいて…」と取材時の苦労を語る。

 JAくるめは、全国のJAの広報誌や広報活動などで優れた事例を表彰する「JA広報大賞」の「総合の部」で、16、17年度に2年連続で準大賞を受賞。ウイズユーは、表紙のインパクトとともに他のJAに評判が伝わり、現在は約90のJAと広報誌を交換して互いに切磋琢磨(せっさたくま)している。

 農家出身ではなく、トラクターとコンバインの違いも分からなかったという竹島さん。「広報担当になって初めて知ることばかり。久留米の農産物を広く知ってもらいたい」。日本農業新聞に記事を送る「通信員」の役割も担っている。

 ウイズユーは、JAくるめのホームページに過去1年分が掲載されている。

=2018/04/27付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]