解散した楽団の楽器寄贈 久留米大で“第二の人生” 福岡市の指揮者・作曲家山本さん [福岡県]

楽器を寄贈し、笑顔を見せる山本さん(右から2番目)と永田学長(右端)
楽器を寄贈し、笑顔を見せる山本さん(右から2番目)と永田学長(右端)
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寄贈された楽器
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 国際的に活躍し、2016年に解散したオーケストラ「福岡青少年音楽の翼」の指揮者だった山本成宏(しげひろ)さん(73)=福岡市=が、自宅に保管していた楽団の楽器約20点と、自ら編曲した楽譜や譜面台を久留米大に寄贈した。大学には現在、オーケストラがなく、山本さんは「楽器を活用して市民も交えた久留米大フィルをつくってほしい」と期待。楽器たちの“第二の人生”にエールを送る。

 山本さんは作曲家や指揮者として国内外で活躍し、20代の頃から若手演奏家の育成に尽力した。音楽の翼は「子どもたちに音楽を通して国際交流を深め、世界に視野を広げてほしい」(山本さん)と04年創設。小学生から大学生がメンバーで、プロ演奏家も輩出。フランスやドイツ、オーストリアなど5カ国で海外公演を成功させた。

 練習拠点だった福岡市立青年センターが16年3月に閉館したことに伴い、惜しまれながら解散。団員のため、10年がかりで企業などの寄付で購入したホルン、コントラバス、ティンパニーなどの楽器は山本さんが引き取って寄贈先を探していた。

 山本さんが指揮者をしていた別の楽団の教え子だった大場はるか准教授(40)が昨春、久留米大文学部国際文化学科の教員になったことがきっかけで寄贈が実現した。

 同大には文系に吹奏楽部、医学部に管弦楽部と小規模な楽団はあるが、オーケストラはない。大場准教授は、市民演奏家や付設高の生徒、教職員らも交えた楽団の構想を温めており、保育や幼児教育を学ぶ総合子ども学科での活用なども検討しているという。

 9日に久留米大御井キャンパス(久留米市御井町)であった贈呈式で、永田見生学長は「大変ありがたい。将来的にはオーケストラ創設につなげたい」と感謝。山本さんは「願ってもない寄贈先。学生が演奏会などを通して地域と関わるきっかけになれば」と笑顔を浮かべていた。

=2018/05/12付 西日本新聞朝刊=

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