田主丸の「食」に魅せられて 古民家レストラン営む永瀬さん 「移住者創業のモデルに」 [福岡県]

田主丸に魅せられて移住した永瀬益枝さん(左)と夫の哲夫さん
田主丸に魅せられて移住した永瀬益枝さん(左)と夫の哲夫さん
写真を見る
四季折々の美しさを見せる庭。食事に華を添える
四季折々の美しさを見せる庭。食事に華を添える
写真を見る

 久留米市田主丸町鷹取の古民家を改装したレストランが3月20日、オープンした。創作料理「田舎ダイニング Basara」。地元商工会とも連携し1年半かけて開店準備を進めてきたのは、東京・浅草でダイニングレストランを開いていた永瀬益枝さん(57)。夫の哲夫さん(72)と新天地に移住してきた。店は既に口コミで人気が広がり、益枝さんは「新鮮な食材に恵まれた田主丸は、東京に負けない魅力がある。料理を通じて多くの人に知ってもらいたい」と意欲的だ。

 カキの赤ワイン煮やナンプラーを効かせた空豆料理など大皿に並んだ独創的な前菜。ナノハナやセリ、アカシアの花を使った小鉢からは春の香りが漂う。どれから箸をつけるか迷ってしまいそうだ。

 ランチコースは前菜の後、メイン料理とご飯、汁物が続く。JAの直売所や知り合いの野菜・果樹農家から毎日新鮮な食材を調達しており、「ワインとの相性も考え、手をかけた料理ばかり」と胸を張る。会話や食事の進み具合に目を配りながら料理を出しており、4時間じっくり腰を据える客もいるという。「料理とお酒で幸せな時間を過ごしてもらえれば光栄」と頬をゆるめる。

 益枝さんは福岡都市圏出身で、24歳で上京。歯科衛生士として働く傍ら、趣味で食べ歩きや料理に傾倒してきた。チーズやワインにも造詣が深く、結婚後は自宅の一室を使ってイタリア料理などを出すレストランを開いた。10席程度の小さな店だが住宅街の隠れ家的な店として、周辺住民から外国人まで多くの客が集まったという。

 田舎への移住を希望したのは、生粋の下町育ちで元会社員の哲夫さんだった。約2年前から県内の田舎を中心に候補地を探した。糸島や八女も検討したが、田主丸に決めたのは10代以上続いた医者の住居として使われていた古民家との出合いだった。約2500平方メートルの敷地には水路が流れ、庭木や花々が四季折々に美しい姿を見せる。「料理を楽しむには環境も重要。一目で気に入った」と益枝さんは振り返る。

 建物の補修などは、町商工会の紹介で久留米市の移住者創業促進支援事業の補助金も活用。益枝さんは「移住者が田主丸でビジネスを始めるモデルケースになれるか。関わった人たちの期待を感じており、責任重大」と気を引き締める。

    ◇    ◇

 ランチは1800円(税抜き)、夜はコースが3500円(同)から。国道210号沿いの西鉄バス「樋の口」バス停前。要予約。Basara=0943(88)9005。

=2018/05/13付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]