ふるさと納税 高額返礼品「自粛」通知への対応で明暗 久留米は半減、大川は堅調 [福岡県]

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 2017年度に筑後地区12自治体に寄せられたふるさと納税の寄付額は計約35億3800万円に上り、16年度の約35億9千万円からやや減少したことが、各自治体への取材で分かった。久留米市は、返礼品競争に歯止めをかける総務省通知に沿って、人気の返礼品を取りやめ寄付額が半減したが、通知に従わなかった大川市は堅調に伸びた。大刀洗町は、返礼品の開拓が奏功して7倍に増えた。

 総務省は昨年4月、自治体間の返礼品競争を是正するため「資産性、換金性が高い」「高額」といった返礼品を自粛するよう、全国の自治体に通知した。通知には強制力はないが、久留米市の寄付額の約半分を集める「稼ぎ頭」だった自転車が自粛すべき返礼品として示され、市は通知通り、昨年9月末で自転車を返礼品から外した。

 「大幅な減額はある程度想定していたが、年間で最も寄付が集まる年末に自転車がなかったのが響いた」と市担当者。9月までは前年度比8~9割で寄付額が推移していたが、10月以降は3割程度に。17年度は寄付額10億3750万円と、年度当初に見積もっていた12億円にも届かなかった。

 自転車の人気は根強く、現在も寄付者から復活を求める声が寄せられているという。昨年8月の内閣改造で総務大臣が交代し、市は自転車復活の可能性を探っていたが、今年4月に昨春の通知に沿った対応を求める再通知が出たことから断念。市は「これまでは自転車頼みだったという反省もある。市内にはバラエティーに富んだ企業や事業所があり、新たな返礼品の掘り起こしに取り組みたい」としている。

 昨春の総務省通知には、自粛すべき高額返礼品に家具が示されたが、国内有数の家具産地として知られる大川市は、家具やインテリア類を返礼品の中心に据えて継続し、16年度を約1億円上回る寄付を集めた。18年度も家具の取り扱いを続ける方針という。

 寄付額が7倍に増えた大刀洗町は、ふるさと納税のポータルサイトと連携し、新たな返礼品を探るワークショップを開いたり、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングを活用したりするなど、新たな取り組みを進めた。返礼品数は16年度から約2倍の118品目に増やした。

 寄付額の急増について、町担当者は「返礼品のラインアップを充実させたことが要因ではないか。今回の結果に浮かれることなく、今後も実直に取り組みたい」と語る。寄付者には、お礼を兼ねた暑中見舞いのはがきを送り、リピーターづくりにも余念がない。

 多くの自治体では、利用できるポータルサイトを増やしたり、ユニークな返礼品を加えたりして、寄付集めに力を入れている。筑後市は「タマホームスタジアム筑後」で始球式ができるプラン(寄付額20万円以上)を用意したところ、2件の申し込みがあった。一方、寄付額が減った広川町の担当者は「他の自治体のあおりを受けたのかもしれない」と話している。

=2018/05/16付 西日本新聞朝刊=

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