大刀洗町周辺舞台の小説「守教」 帚木さんの直筆原稿公開 町立図書館が経歴や作品リストも掲示 [福岡県]

帚木蓬生さんから寄贈された「手考足思」の色紙や直筆原稿が並べられた展示ケース
帚木蓬生さんから寄贈された「手考足思」の色紙や直筆原稿が並べられた展示ケース
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展示コーナーでは参考書籍のリストが掲げられ、希望すれば閲覧することもできる
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 作家帚木蓬生(ははきぎほうせい)さん(71)=中間市=の小説「守教」の直筆原稿の公開が、大刀洗町立図書館(同町冨多)に新設された常設展示コーナーで始まった。昨年末、町に寄贈した約1200枚。鉛筆書きで残された推敲(すいこう)の跡に創作の臨場感が伝わってくる。図書館は現在蔵書点検のため休館中だが、24日から再開される。

 「守教」は現在の大刀洗町周辺を舞台に、キリスト教が伝来した戦国期から禁教期まで、ひそやかに信仰を守った人々を描いた。4月に「第52回吉川英治文学賞」を受賞。選考委員の一人、作家五木寛之さん(85)は選評に〈地を這(は)うような筆致でその細部に迫り、外国人神父と日本人農民の交流に触れている。筑後地方出身の私にとっては、目の鱗(うろこ)が落ちるようなディテールも少(すくな)くなかった〉と言葉を寄せている。

 展示コーナーではケース内に直筆原稿と「手考足思」(手で考え足で思う)と筆書きした色紙を保管。65冊の参考書籍は閲覧を申し出ることもできる。パネルで帚木さんの経歴や作品リストも掲示した。4月30日の公開以降、町外からも熱心なファンが訪れている。原稿を間近にした後、ゆかりの地である町内の国指定重要文化財「今村天主堂」へ足を運ぶ人も少なくないという。浜境真由美館長は「肉筆でこのように小説が書かれるのかという驚きと、作品の世界に思いをはせる天主堂。両方を味わってもらえたら」と話している。

 月曜と年末年始は休館。

=2018/05/18付 西日本新聞朝刊=

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