生演奏を市民に届けて20年 久留米拠点の吹奏楽団「シティーブラス」 無料で定演や街なかコンサート [福岡県]

真剣な表情で練習に取り組むくるめシティーブラスの団員たち
真剣な表情で練習に取り組むくるめシティーブラスの団員たち
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指揮者を務める村田努団長
指揮者を務める村田努団長
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親子の参加などメンバーの年齢幅が広いのも楽団の特徴だ
親子の参加などメンバーの年齢幅が広いのも楽団の特徴だ
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 久留米市を拠点に活動する吹奏楽団「くるめシティーブラス」が今年、結成から20年の節目を迎えた。年齢も職業もさまざまな団員たち。「仕事や子育てに忙しくても、好きな演奏を続けたい」-。そんな思いで集まり、年2回の無料コンサートのほか、地域のイベントや病院に足を運び、市民に生の音楽を届けてきた。秋の公演に向け、早くも練習に熱がこもる。

 5月のある水曜日、えーるピア久留米(同市諏訪野町)内の視聴覚ホールのステージにはラフな格好はもちろん、会社の制服やワイシャツ姿の団員40人ほどが並び、アンサンブルを重ねていた。

 アニメソングで高校野球の応援でもおなじみ「キューティーハニー」、CMソングでジャズの軽快なリズムが印象的な「キャラバンの到着」…。聞こえてきたのは9月の公演で披露する曲。どれも一度は耳にしたことがある。「幼稚園生からお年寄りまで、コンサートに来てくれる。みんなに喜んでもらえるように選んでいます」。団長で指揮者の村田努さん(50)=久留米市梅満町=が教えてくれた。

 楽団は、村田さんと、演奏仲間だった妻千秋さん(50)が1998年4月に結成した。吹奏楽の定番だけでなくジャンルを超えて自由に演奏し、気負わずに楽しむことを目指した。

 団員も楽団を離れれば、普段の生活がある。村田さんはデザイン事務所を経営し、千秋さんは保育士で、社会人でも無理なく参加できるように練習は週1回程度。入団オーディションはせず、経験者であれば歓迎することにした。

 千秋さんによると、当時は結婚や出産をきっかけに、楽器から離れてしまう女性が少なくなかった。「ママバンドがまだ珍しかった時代。『子どもが小さくても練習に連れて来ていいんだよ』と友人を誘うと喜ばれました」と振り返る。

 たった2人で始めた楽団だが、口コミなどで徐々に団員は増え、2001年には春の定期公演「音楽会」を石橋文化ホールで初開催。昨年からは音楽会に加え、街中で楽器の音色を響かせ、行き交う人に音楽の魅力を知ってもらおうと市中心部で新たに「街なかコンサート」も始めた。

 支援の輪も広がる。1口千円の「サポーターズクラブ」には無料で公演を続ける趣旨に賛同する80組ほどが毎年応募し、活動を支える。

 団員は18~54歳。アルトサックスの短大生江頭柊音さん(18)=佐賀県基山町=と、栄養士近藤千緩さん(22)=久留米市高良内町=はともに親子で参加。江頭さんは「幼いころ、親の練習についてきて騒ぎすぎると、よく叱られました」と笑い、近藤さんは「団員みんなが家族みたいな雰囲気です」と胸を張る。

 トマト農家の堀恒夫さん(52)=うきは市浮羽町=はトロンボーン担当。「世代は広いけど、気を使わず居心地も良い」とほほえむ。村田さんは「長く演奏を見続けてくれているお客さんと、団員家族の協力のおかげ。これからも活動を続けていきたい」と語った。

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 「街なかコンサートvol.2」は9月16日午後2時から、久留米市六ツ門町の久留米シティプラザ六角堂広場で開催。

=2018/06/09付 西日本新聞朝刊=

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