妊娠から子育てまで“切れ目ない支援”が奏功 「久留米市こども子育てサポートセンター」開所1年で相談倍増 [福岡県]

久留米市役所16階にある「こども子育てサポートセンター」。キッズスペースが設けられている
久留米市役所16階にある「こども子育てサポートセンター」。キッズスペースが設けられている
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 妊娠期から子育て期まで切れ目のない母子支援を行う「久留米市こども子育てサポートセンター」が、久留米市城南町の市役所に開所して1年が過ぎた。市保健所と家庭子ども相談課に分かれていた行政窓口をセンターに一本化。利便性が向上し、相談件数は伸びている。センターは「子育てしやすい環境づくりは行政だけではできない」として他機関との連携にも力を入れる。

 サポートセンターがある市役所16階。フロアの一角に、こぢんまりとしたキッズスペースがある。プレイマットやベビーベッドを置き、保護者が落ち着いて手続きが進められるようにした。

 センターは昨年10月2日に開設。保健所が担った妊娠届の受理や妊婦・乳幼児健診の案内などの母子保健業務と、家庭子ども相談課が受け持つ総合相談、支援サービスの提供業務を集約した。出産育児の課題に対応するため、保健師や社会福祉士、保育士などの資格を持つ専門職員も配置した。

 センターによると、こうした取り組みが奏功し、相談件数は昨年10月の117件から今年7月の217件へとほぼ倍増。母子健康手帳の交付時に行う保健師による面談のほか、妊婦健診結果などの情報も一元的に管理する。梅崎満晴所長は「手厚い支援が必要な300組を超える母子を把握できた。リスクのレベルに応じた見守りができている」と手応えを語る。

 産後健診の費用助成や助産師、保健師らが産科医院や助産院で乳児の風呂の入れ方を指導したり、悩みを聞いたりする産後ケア事業にも取り組む。これらは母親の不安を和らげるのが狙いで、今年9月までに産科医院などに泊まる宿泊型39件、日帰り型20件の利用があったという。

 一方、センターは国の子育て世代包括支援センターに位置付けられている。多くの設置自治体では支援対象は就学前までだが、久留米市は18歳までと長く、児童生徒からのあらゆる相談に応じる。「学校との関係がこじれた場合に、両者の間に入るケースも徐々に増えている」と担当者。

 このほかセンターが力を入れるのが医療機関との連携強化だ。市は2012年度から育児に対する不安を抱え、支援が必要な母親の情報を本人の同意を前提に、かかりつけの産科医や小児科医と共有。医療機関側からケアをした経過をフィードバックする仕組みも整えた。

 梅崎所長は「産後うつの発症率は高く、メンタルヘルス対策がとりわけ重要だ」と述べ、精神科医療機関との連携を模索している。

=2018/11/26付 西日本新聞朝刊=

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