「見てきたヨルダン」出版 元海外協力隊員・鬼丸さん 日本縦断し講演 [福岡県]

全国を回った軽トラの前に立つ鬼丸武士さん(中央)と竹尾恵介さん(左)、大坪洋三さん
全国を回った軽トラの前に立つ鬼丸武士さん(中央)と竹尾恵介さん(左)、大坪洋三さん
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 中東ヨルダンで2年間、理学療法士として働いた元青年海外協力隊員の鬼丸武士さん(30)=柳川市京町=が、自身の経験を振り返った「僕が見てきた中東、ヨルダン。」を出版した。現地の車いすバスケットボールチームとの交流や、シリア難民との出会いなど「テレビやインターネットにはない生の中東について知ってほしい」と、本を手に全国を回っている。

 鬼丸さんは大野城市出身。中学生のころから海外に憧れ、大川市の病院で理学療法士として働いていた2014年に青年海外協力隊員に志願。15年から2年間、ヨルダンで障害者の就労支援、パラスポーツチームの援助、シリア難民の訪問リハビリなどに携わった。

 渡航前は「テロが多い」というイメージで、危険だと思っていた中東の地だが、現地で出会ったのは穏やかな人々だった。紛争でけがをしたシリア人の家を訪ねた際には、どこでも客人として扱われ、紅茶でもてなされた。どんな状況でも誇りを失わない人間の尊厳を感じたという。

 帰国後、「第二の故郷となったヨルダンを知ってほしい」と全国各地で講演。昨年7月、南米ペルーとの交流を続ける大川市の地域おこし協力隊員の大坪洋三(ひろみつ)さん(33)、竹尾恵介さん(32)と知り合い、今年7月に異文化交流や国際協力に取り組むNPO法人グラリオを立ち上げた。

 今秋、本を出版すると、軽トラックで「呼ばれてないけど勝手に日本縦断ツアー」を敢行。約2週間かけ、北海道から九州各地の12カ所でトークイベントを開いた。軽トラの側面の日本地図は、励ましの寄せ書きで埋まった。

 3人は11月中旬、ヨルダンを訪問。鬼丸さんはさらに3カ月ほど現地に滞在し、今後どのような交流ができるか、関係者と打ち合わせを続けている。「シリア難民支援のための医療従事者によるスタディツアーなど、自分ができることを実現させていきたい。本の続きは自分の生き方でつづりたい」と意気込む。

 四六判210ページ。1500円。

=2018/11/30付 西日本新聞朝刊=

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