筑後信金、久留米大と連携 地域経済情報誌を創刊 地場企業と学生、橋渡し役 [福岡県]

「ここんにき」創刊を発表する(手前右から)久留米大の伊佐教授、筑後信金の江口理事長と学生たち
「ここんにき」創刊を発表する(手前右から)久留米大の伊佐教授、筑後信金の江口理事長と学生たち
写真を見る
経営者インタビューやアンケートは久留米大生が企画や取材を担当した
経営者インタビューやアンケートは久留米大生が企画や取材を担当した
写真を見る

 久留米市の筑後信用金庫は、久留米大と連携して無料の地域経済情報誌「ここんにき」を創刊した。学生が企画、編集に協力した点が特長で、地域の経済情報の発信に加え、人手不足が続く中小企業と学生との橋渡し役となる狙いもある。11月30日に久留米市東町の筑後信金本店で創刊発表会があった。

 情報誌の創刊は、筑後信金と久留米大が昨年12月に結んだ包括連携協定に基づくもの。「ここんにき」は、筑後地方の方言で「このあたり」という意味で、具体的には筑後信金の営業エリア(久留米市、八女市、筑後市、うきは市、朝倉市、広川町、大刀洗町、筑前町)を指している。

 ここんにきは、5月と11月の年2回発行。A4サイズで、創刊号はオールカラー25ページ。月刊マネー情報紙「西日本新聞オーエン」のコラムニストを務める久留米大商学部の塚崎公義教授のコラムや、筑後信金が独自に創設した「ちくしん指数」を使った景気動向調査、学生による中小企業経営者へのインタビュー、結婚や車に対する現役学生と元学生(40歳以上)の意識調査のアンケートなど、盛りだくさんの内容となっている。

 協力したのは、文学部と経済学部の計8人。「サクラみそ食品」(久留米市梅満町)の野田豊国社長にインタビューした文学部3年の塩崎南菜さん(20)は「地域のニーズに合った商品開発や従業員を大切にする姿勢など、会社のホームページでは分からない話をたくさん聞くことができた」。久留米絣(がすり)をイメージした表紙のデザインを担った文学部3年の寺地宏美さん(21)は「地元になじみ深い久留米絣のように多くの人の手に取ってもらえたら、との思いを込めました」と語る。

 創刊の背景には好調な景気の影響で、筑後地区でも深刻になっている人手不足がある。中でも新卒の大学生は大都市圏や大手企業を志望する傾向が強く、久留米大でも学生の多くが市外の企業に流れているという。創刊に当たり大学側の窓口となった同大地域連携センター長、伊佐淳経済学部教授は「地元への就職率がすぐに上がるとは思わないが、地元企業を知っておくことで、中長期的にみて学生がUターンを考えるきっかけになるのではないか」と語った。

 創刊号は千部発行。筑後信金の支店や久留米大の学内に置いたり、筑後信金の取引先に配ったりするほか、筑後信金のホームページにも掲載している。

 江口和規理事長は「人手不足はこれからますます深刻になる。地域の中小企業の経営者と学生との出会いの場を提供し、地域経済の活性化に貢献したい」と力を込めた。

=2018/12/04付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]