久留米市初の「地域おこし協力隊」2人離任 うどん大使提案やカフェ開店… 「縦割り越え柔軟対応を」提言 [福岡県]

街づくりの方向性について語る中村透さん
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3年間の活動を報告する宗司さん
3年間の活動を報告する宗司さん
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 都市から地方に一定期間移り住み、まちおこしなど地域活動の中核を担う「地域おこし協力隊」。久留米市が2015年、初めて採用した2人がこのほど3年の任期を終えた。それぞれの視点で地域資源を掘り起こし、市の魅力を発信するためのアイデアをひねった。「いろんなことに挑戦できた」「市の潜在力を感じた」。隊員活動が縁となり共に市内で新たな一歩を踏み出したが、行政や住民との連携など課題も指摘する。

 中村透さん(39)は15年8月から、市観光国際課の「ツーリズムプランナー」として観光資源の発掘や情報発信に携わり、東京・新橋にある筑後地区のアンテナショップ「福岡久留米館」のイベントを企画し、筑後うどんの魅力を伝える「筑後うどん大使」の創設を提案した。

 長崎県出身。大学卒業後、東京の芸能プロダクションでマネジャーを務めた。転職を考えていた36歳の時、四国の隊員に就いた知人の勧めもあり、募集サイトで目についた久留米市の隊員になることを決意。「人同士をつなぐのが得意」と、飲食店の共同企画も手掛けた。ただし「地域おこし協力隊の認知度が低く、店や住民への説明など苦労も多かった」と振り返る。

 隊員の任期満了後、国の起業支援制度を活用して、飲食店向けに企画を提案する仕事を始めた。「隊員時代のつながりを生かし、地域の食材を使った飲食店を福岡市に構えたい」

   ◇    ◇

 「3年間の期限があったからこそ思い切ってやることができた」。11月28日、同市城島町の城島総合文化センターで開いた報告会で、宗司さん(28)は集まった約100人に感謝した。

 市中心部で生まれ育った。関西の大学卒業後、都内でフリーライターとして活動。高校の同級生だった市職員から入隊を誘われた。15年12月の就任後、城島町を拠点に日本酒や地域の物産を紹介するサイトを設けたほか、住民が集うカフェを空き家に開店して地域のコミュニティーづくりに一役買った。「久留米市出身なのに、城島町のことを何も知らなかった」

 今後も空き家に暮らしてカフェを運営していくという。「隊員が縁となり、自分の居場所が見つかった」と宗さん。「協力隊はさまざまなことに挑戦できる優れた制度だが、市の組織としての“縦割り”を感じた。担当課を越えて柔軟に対応してもらえると動きやすい」と提案する。

 市は現在、隊員を募集中。2期生の任期は来年4月から3年間で、4人の採用を予定している。

=2018/12/05付 西日本新聞朝刊=

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