発達障害の親子を支援 「ハッピーママくらぶ」 居場所づくり、交流会、フリーペーパーで情報発信 [福岡県]

「当事者や家族への理解がもっと広がると良いですね」と語る鳥村さん
「当事者や家族への理解がもっと広がると良いですね」と語る鳥村さん
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ハッピーママくらぶ主催の講演会を前に打ち合わせする鳥村さん(右)
ハッピーママくらぶ主催の講演会を前に打ち合わせする鳥村さん(右)
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 認知度が高まり、医療機関の受診や支援施設への相談が急増している発達障害。外見から周囲に伝わらず、発達障害の子を持つ親は子育てに悩み、社会から孤立しがちだ。2015年6月に発足した久留米市のボランティア団体「ハッピーママくらぶ」は発達障害の啓発や、親への支援を続ける。代表の鳥村孝子さん(57)は「社会の理解を深め、輪を広げたい」と語る。

 発達障害は、コミュニケーションが苦手な自閉スペクトラム症、集中するのが苦手で落ち着きがない注意欠如・多動症、読み書きなどに困難がある学習障害の大きく三つに分類される。重複することもあり、個人差が大きいのも特徴だ。

 鳥村さんは、約20年前から知的障害者らが通う共同作業所でボランティアやパートとして働き、福祉に関わってきた。5年ほど前、作業所が運営するカフェで発達障害の男子中学生と母親に出会った。子どもは学校に通えず、母親は相談相手がおらず、悩んでいた。

 「発達障害の言葉は知っていても、私自身が理解できていなかった」と振り返る。当時は当事者団体や親の会も少なく、必要な情報もなかった。医療関係者向けの講演会やセミナーに通い、学び始めた。

 次第に人づてに発達障害の子を持つ母親からの相談が増え、頼られる機会が増えた。母親たちはそれまで、意を決してママ友に打ち明けても「大丈夫よ」「うちの子もできないから」と気休めの声を掛けられるだけで、偏見にも苦しめられていたという。支援や交流の場の必要を痛感した。

 団体を立ち上げたのは「母親たちの話が通じる相手がいて、心休まる場になれば」との思いからだ。居場所づくりから始め、マッサージなどのブースを設けた気軽に参加できる交流会を企画。現在は年に数回、大学の研究者や、発達障害と向き合い一線で活躍する当事者を招き講演会を開いている。

 子育て情報紙の編集に携わった経験から、月刊のフリーペーパー「ハッピーママくらぶ通信」も創刊。1500部でスタートし、1万部まで増えた。問題行動の軽減につなげ、特性を生かすトレーニングや、障害者雇用に積極的な事業所を紹介。発達障害の親子に役立つ情報の発信に努める。

 活動の輪は広がり、親の会結成や、発達障害の生徒を受け入れ、通信制高校の卒業を支援するサポート校の開校も支援した。今後の課題は就労の場の確保だ。「発達にでこぼこ(アンバランス)があっても、良い所を伸ばせば働ける。フリーペーパーの発行を仕事にできないか」。目標の具体化に向け、奔走する。

=2018/12/16付 西日本新聞朝刊=

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