童男山古墳群出土「子負いの女性石人」 八女市が文化財指定 [福岡県]

八女市文化財に指定された「子負いの女性石人」。横たわった状態で、右側の頭部に目、鼻、口が彫られている
八女市文化財に指定された「子負いの女性石人」。横たわった状態で、右側の頭部に目、鼻、口が彫られている
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子どもが背中にしがみついている背面部。首もとにあるのが子どもの手で、その下の顔の一部は欠けている
子どもが背中にしがみついている背面部。首もとにあるのが子どもの手で、その下の顔の一部は欠けている
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 八女市の童男山(どうなんざん)古墳群から1988年に出土した「子負いの女性石人」について、市は昨年末、市文化財に指定した。石人は武人姿が多く、子を背負った石人の出土は全国初で、現在も見つかっていない。専門家は「古墳時代の石人の系譜をたどる上で重要な資料」としている。

 この石人を巡っては、市が文化財指定のために必要な警察への届け出を出土から10年間怠り、その後も他の文化財調査を優先させたため、指定は昨年12月19日付と大きく遅れた。現在、岩戸山歴史文化交流館で保管しており、市は2020年の開館5周年イベントで一般公開する予定。

 「子負いの女性石人」は6世紀中頃から後半にかけてのものとみられ、高さ65・3センチ、幅最大33・8センチ、厚さ最大32・7センチで重さ42・6キロ。髪を後頭部で結った女性が子どもを背負っている。女性の胴体部分や子どもの顔の一部が欠けた状態で見つかった。

 石人は九州の古墳から多数発見されており、埋葬者の“守り神”とされる。岩戸山古墳など国史跡の古墳群が広がる市内の八女丘陵からは計143点の石製品が出土。丘陵の東端に位置する童男山古墳群からも2点が見つかった。

 調査した市文化財専門委員の横山邦継さん(69)=考古学=は「古墳時代後期の石人は日常的な情景を現すものに変わっていったことがうかがえる」と指摘。「『子負いの女性石人』は希少性があり、今後(県や国の文化財として)価値が上がる可能性は高い」と評価する。

=2019/01/09付 西日本新聞朝刊=

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