「東海道五十三次」竹筒に再現 八女市の江上さん 十数年かけ完成 宿場町の様子など精巧に模写 [福岡県]

東海道五十三次を竹筒に彫り上げた江上智解さん
東海道五十三次を竹筒に彫り上げた江上智解さん
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 八女市立花町白木の竹工芸家、江上智解(ちかい)さん(76)が歌川広重の浮世絵連作「東海道五十三次」の全55作品を竹筒に彫り上げ、着色した。2006年ごろから取り組んだ大作で、先月完成。江上さんは「諦めずに続けた自分を褒めたい」と達成感をにじませている。

 竹筒は高さ25センチ、直径15センチ前後。出発地の江戸・日本橋と終着地の京都・三条大橋を含め、東海道の宿場町の様子を描いた広重作品を精巧に模写した。「原画にある“全ての線と点”を再現している。彫ることで浮き上がり、立体感を感じられます」とうなずく。

 筑後市出身の江上さんは製麺会社を退職後、2003年ごろ立花町に移り住んだ。そこで出会った近所の住人から竹工芸を教わり、自らも創作活動を開始。町の竹工芸講座の講師も務めたという。

 竹工芸の東海道五十三次は「一生の仕事」として開始。山から作品作りに適した竹を切り出し、自宅のアトリエで三角刀を使って彫刻。アクリル塗料で色づけした。

 完成を誰よりも伝えたいのが、2008年6月に肺がんで亡くなった妻の節子さん=享年(65)。「竹工芸の最大の理解者で良き評論家だった」と振り返る。亡くなった後は落ち込み、2年ほど創作意欲をなくした。それでも知人に「奥さんも応援しているはず。またやらんね」と励まされ、竹工芸を再開。55本の完成に「妻も喜んでくれているはず」と目を細め、「次は中山道の浮世絵などを彫ってみたい」と次回作への意欲を燃やしている。

 竹筒版「東海道五十三次」の展示会を広川町新代のキングストンギャラリーで開催中。28日まで。入場無料。午前10時~午後5時。

=2019/02/23付 西日本新聞朝刊=

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