広報アイデア、全国で脚光 大任「ヤバイ」遊び心満載 福智は返礼品、桂川は殺処分特集 [福岡県]

洋画の登場人物にふんして町の魅力をPRした永原譲二大任町長(左端)や職員ら
洋画の登場人物にふんして町の魅力をPRした永原譲二大任町長(左端)や職員ら
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桂川町の広報誌10月号を持つ企画財政課の吉田翔平さん
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広報企画部門で入選した福智町のふるさと納税返礼品カタログ「福智まごころ通心」
広報企画部門で入選した福智町のふるさと納税返礼品カタログ「福智まごころ通心」
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 実はヤバイんです-。おだやかでない文字が躍る大任町の観光パンフレットが、昨年度の「第4回ふるさとパンフレット大賞」で大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。筑豊地区では他にも、自治体の広報誌などを表彰する「全国広報コンクール」(日本広報協会主催)で福智町と桂川町が入選。知恵を絞った職員の広報活動が注目を集めている。

 大任町のパンフレットは、B5判の12ページ。無料情報誌の発行を手がける「TONE GRAPHICS」(飯塚市)が約1年かけて制作し、昨年4月に約7千部が完成。主に町外で配布した。選考は主催の地域活性化センター(東京)で展示している約2600点の刊行物の中から、イラストレーター南伸坊さんら5人の委員が選んだ。

 洋画「オーシャンズ12」を模した表紙には、主演のジョージ・クルーニーさながら、ちょい悪オヤジに扮(ふん)した永原譲二町長をはじめ町幹部、職員らが登場。いたる所に「ヤバイ」(最高の意味)の文字が躍り、町の特産品や観光スポット、マラソンイベントを紹介した。シンプルな切り口と遊び心が受賞につながった。

 町担当職員の楠幸樹さんは「大任の地名を知ってもらうため、とにかくインパクトを重視」。あえて自治体らしからぬキャッチコピーをつけたと明かす。永原町長は受賞に「逆転の発想が生きたPR誌になった。『さすが大任ですね』と他自治体からの反響もあった」と喜ぶ。

   ◇    ◇

 福智町は、ふるさと納税の返礼品の魅力を紹介した「『福智まごころ通心』~何もない町のふるさと納税への挑戦」が広報企画部門で入選した。職員自ら特産品を発掘し、ふるさと納税の寄付金増額につなげたことが評価された。

 A4判の特典カタログには、町内産の農産物や伝統工芸品、飲食店や生産拠点がある企業の商品も掲載。カタログ製作前の同町への寄付額210万円(14年度)は、13億7千万円(16年度)に急増した。担当した町政策推進係の久原拓也さんは「町の魅力や誇りを引き出せた」と話す。

 桂川町は「奪われるために生まれる命」と題し、犬・猫の殺処分について特集した昨年10月号の広報誌が町村部門で入選。嘉穂・鞍手保健福祉環境事務所や福岡市動物愛護管理センターを取材し、殺処分の現状や野良猫にエサをあげる行為の問題点を特集。あえてガスを使った処分機の写真などを掲載し、命の重さについて考えさせる編集が認められたという。

 担当した企画財政課企画広報係の吉田翔平さん(32)は「住民の方から『野良猫に避妊去勢手術をしているのか気になった』との声も聞いた。身近な問題について考えるきっかけにしてほしい」と話した。

=2017/06/20付 西日本新聞朝刊=

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