開校1年先延ばし 香春町の小中一貫義務教育学校 総事業費予定上回る 復興、五輪需要で資材高騰 [福岡県]

義務教育学校の建設が予定される香春町の勾金中グラウンド
義務教育学校の建設が予定される香春町の勾金中グラウンド
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 香春町教育委員会は、町内の4小学校と2中学校を1校に統合する小中一貫型の義務教育学校の開校時期を、従来予定の2020年4月から21年4月に1年間遅らせる。町教委は、基本設計段階で総事業費が予定額を数億円上回ったと説明。背景には、熊本地震、九州豪雨などの復興や東京五輪・パラリンピックを控えた建設需要に伴う資材・人件費の高騰の影響があるとしている。

 開校の延期は、加治忠一町長が12月議会で報告した。町教委は15年、学校再編準備室を設置。少子化や、多くの校舎と体育館が築30年を超えていることなどから、町内の6校を1校に統合し、新たな学校を開校する計画を進めてきた。

 町は17年度一般会計予算に学校再編事業費約9500万円を計上し、3月議会で可決。当初は、昨年9月末に基本設計を完了し、住民説明会で学校の設計案を報告。今年3月に工事の実施設計を決め、5月に着工する予定だった。

 しかし、昨年9月時点で、町が設計会社に提示した総事業費35億円を数億円上回るとの見通しになった。町によると、東京五輪の会場施設の建設がピークを迎えているほか、16年4月の熊本地震、昨年7月の九州豪雨の復興需要で、資材や人件費が高騰し、当初の想定より2割ほど高くなっているという。

 町は、基本設計の見直しを実施したが、昨年11月下旬時点でも設計案が予算を超えたため、開校を1年延期する方針を固めた。林忠良教育長は「資材の高騰は予想していなかった。事業費を増額すれば町の財政を圧迫する。床面積や学校設備を見直して、予算内で理想的な学校をつくりたい」と話す。町教委は、3月にも基本設計を完了し、住民説明会を開く予定という。

 開校の延期には不満の声も。町内の小学校に孫が通っているという男性(67)は「新校舎で学ぶのを楽しみにしている子どもたちもいる。遅れる原因を説明してほしい」と話した。

=2018/01/10付 西日本新聞朝刊=

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