無名兵士記述生々しく 「戦死10人」「敵死体を見る」 小竹・戦争資料館で企画展「戦争で弱い立場の人考えて」 [福岡県]

「かかる兵士ありき」展の展示品を掲げる武富慈海副館長
「かかる兵士ありき」展の展示品を掲げる武富慈海副館長
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 小竹町の兵士・庶民の戦争資料館で26日、1940年に出征した現在の田川市出身の陸軍兵士・丸山大吉さんの遺品40点を集めた「かかる兵士ありき」展が始まった。2月26日まで。

 武富慈海副館長によると、丸山さんは1914年生まれ。40年2月に召集令状が届き、日中戦争の戦地へ赴いたが、1年あまり過ぎたころ、戦地で右太ももに銃弾を受け骨折した。その後病院を転々とし、北海道の旭川陸軍病院で42年4月に兵役を免除された。

 「戦死10人」「敵死体を見る敵影を見ず」「4人行方不明と発表さる」-。生々しい言葉は、丸山さんが出征から兵役免除までの約2年間をつづった「従軍手帳」に記されている。ほぼ毎日の出来事が記録され、馬の運動や食事当番など日常の業務に関する記述もある。加えて部隊の不規則な出発時間や移動距離が詳細に書かれた部分もあり、兵士の生活に思いをはせやすい。

 手のひらサイズの手帳を、武富副館長がパソコンで全て文字に起こすと、A4の紙で22ページに及んだ。このほか、丸山さんが実際に受けたとされる銃弾も展示されている。

 同館では毎年、無名の兵士にスポットを当てた特別展を企画しており、5年前に田川市の遺族から提供を受けた遺品を今回初めて公開した。武富副館長は「戦争でけがをした軍人のなかには、戦後に十分なケアを受けられず苦しんだ人たちもいた。戦争が起きたときに、弱い立場の人がどうなるのか考えるきっかけになれば」と話した。

=2018/01/27付 西日本新聞朝刊=

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