おいしい米、宮若の農家奮闘 大会で好成績、独自に講習会も ブランド化図る   [福岡県]

これまでに受け取った賞状を掲げる平尾孝市さん
これまでに受け取った賞状を掲げる平尾孝市さん
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2月にあった講習会で、食味値について話す県農林業総合試験場豊前分場の尾形武文さん
2月にあった講習会で、食味値について話す県農林業総合試験場豊前分場の尾形武文さん
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 米のおいしさを競う全国各地の大会で昨年好成績を収めた宮若市の米農家たちが、今年も奮闘している。

 江戸時代には黒田藩の歴代藩主に献上されたとされる宮若米。宮若市は犬鳴川水系の清らかな水と、山あいの地形がうみだす米づくりに適した夏の日照時間という好条件もあるという。市認定農業者連絡協議会(山本隆会長、約20人)は、米の開発・研究を行う専門家を招いて独自の研修会を行うなどブランド化に取り組む。「受賞で知名度が上がっている。これを期に宮若の米のおいしさを再認識してもらいたい」と山本会長は話す。

 「収量性と食味値、どちらも狙う米作りをしていきましょう」。2月、同市内であった研修会で、県農林業総合試験場豊前分場の尾形武文さん(60)は、参加者約40人に呼びかけた。食味値は、米に含まれる水分、タンパク質、脂肪酸などを専門の機械で計り、おいしさを客観的に判断する数値。従来、同じ稲からより多くの米粒を得ようとする収量性の向上とおいしさを同時に追求するのは難しいとされてきた。尾形さんが「田植えと同時に肥料を入れて終わりではなく、日々の稲の状態や気候を確認しながら量を調節するなどの手間をかけることで、両方を少しでも上げる努力をしよう」と語りかけると、参加者は熱心にメモを取りながら耳を傾けていた。

 昨年11月に熊本県菊池市で行われた「第1回九州のお米食味コンクール」。45の自治体から10検体以上が出品され、宮若市の米は2位になった。昨年は「米・食味分析鑑定コンクール」でも、同市の平尾孝市さん(54)の県産米「実りつくし」が都道府県別の選考で61検体中1位を獲得した。

 宮若市では、2016年から市内の米農家で競う「宮若うまい米コンクール」を開催。市は米をセットするだけで食味値を計れる機械を約500万円かけて導入した。尾形さんは「自治体単位でここまで品質向上に力を入れているところは珍しい」と評価する。

 米農家たちは、食味値向上を妨げる窒素を落とす肥料を使うなど今年も手間ひまをかけた米作りを始める。山本会長は「宮若での米作りに魅力を感じてもらい、後継者が次々と出てきてくれたらうれしい」と先を見据えた。今週末から、種の消毒が始まる。

=2018/03/06付 西日本新聞朝刊=

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