地元喜び「感無量」 飯塚車いすテニスに天皇杯、皇后杯 競技性向上へ飛躍を誓う [福岡県]

天皇杯、皇后杯が贈られることが決まり、喜ぶ飯塚国際車いすテニス大会の関係者
天皇杯、皇后杯が贈られることが決まり、喜ぶ飯塚国際車いすテニス大会の関係者
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 飯塚国際車いすテニス大会(飯塚市)に天皇杯、皇后杯が贈られることが決まった。今年34回目を迎える大会は、地域とともに歩み、育ってきた。13日、地元関係者は喜び、さらなる飛躍を誓った。

 「市民の皆さんの協力があるから今がある。大会の基礎をつくった故星野治さんや故前田公三さんも喜んでいるだろう」。1985年の第1回大会の運営に関わり、大会協賛金の寄付を続ける飯塚市の医師、田中康一さん(92)は感極まった表情を浮かべた。

 大会は競技用の車いすの運送や通訳、ボールパーソンなどボランティアが運営に携わる「イイヅカ方式」が特徴。大会期間中、延べ2千人以上が裏方として支える。約20年ボランティアを続ける嘉麻市の会社員、片上真里さん(50)は「これまでに携わった方々の気持ちを思うと感無量だ。名に恥じないように、頑張っていきたい」と話した。

 飯塚市の大会事務局には13日午後4時半すぎ、一報が入った。「市民、行政など大勢の方々のご支援とご協力のおかげです。大会を繁栄させるように頑張りましょう」。かつては選手として出場した大会事務局の森国次さん(77)がボランティアや行政関係者ら約20人に声を掛けると、拍手が湧き起こった。

 大会当初は車いすテニスを通じた身障者の交流、社会復帰の支援が目的だったが、回を重ね、認知度が高まるにつれ、世界から一流プレーヤーが参加。2004年には世界四大大会に次ぐ、アジアで唯一のスーパーシリーズに昇格した。宮内庁の発表文書には「(障害者スポーツが)リハビリを超えた競技性の高いものとなってきた」と記されている。

 大会アシスタントディレクターの柳瀬葉子さん(51)は「東京でも大阪でもない飯塚市で行われている車いすテニスが、トップレベルのスポーツと認められたのがうれしい」。今年の大会は5月14~19日に筑豊ハイツを主会場に開かれる。森さんは「国内の関心が高まるだろう。競技性を高め、さらに多くの観客が集まる大会を目指したい」と表情を引き締めた。

■片峯市長「発展の一翼担う」

 飯塚市の片峯誠市長は13日、飯塚国際車いすテニス大会に天皇杯・皇后杯が贈られることを受けて市役所で会見し、「車いすテニスの発展の一翼を担わせていただけるよう大会関係者、市民の皆様とともにしっかり取り組んでいく。『イイヅカ方式』も評価いただいたものだと思う」と語った。

 市は、2020年東京パラリンピックの事前キャンプ地として南アフリカの車いすテニスと水泳の2種目が内定。市長は筑豊ハイツを念頭に、障害者が宿泊できる施設整備を早期に進める方針を示した。

=2018/03/14付 西日本新聞朝刊=

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