ドローンで農薬散布 香春町でデモ飛行 省力化、安全性に期待 [福岡県]

香春町のタマネギ畑であった農薬散布用ドローンの実演飛行
香春町のタマネギ畑であった農薬散布用ドローンの実演飛行
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 これまで2人で1時間半かかった作業が、3分で終了。1人当たりの負荷は60分の1に圧縮された。

 9日朝、香春町採銅所のタマネギ畑。1・2メートル四方の機体にタンクを載せた赤い小型無人機「ドローン」が、液体を噴霧しながら高さ1・5メートルほどの空中を飛ぶ。自転車程度のスピードで畑の上を3往復。四つのプロペラの音はほとんど気にならなかった。

 ドローンの中国メーカー「XAIRCRAFT JAPAN」(エックスエアクラフト・ジャパン)が開発した農薬散布専用機のデモンストレーション飛行。およそ3分で、縦60メートル、幅20メートルのタマネギ畑に農薬をまき終えた。「夏場にカッパを着ての作業は特に重労働。すごい省力化だ」。デモ飛行に協力した農業の中元卓也さん(63)は驚く。

 農薬散布には、多くの人手と作業時間を要する。ほかにも薬剤による肌荒れや目の痛み、吸引など散布者への負担も大きい。同メーカーの代表取締役社長、大城智広さん(32)は「ドローンはスマホを使った遠隔操作なので健康被害が軽減される」と話す。

 衛星利用測位システム(GPS)を使って作業範囲を設定すれば、離陸から散布、着陸までが自動のため、夜間飛行での作業もできる。最大10リットルの薬剤が搭載でき、強風による速度の変化に応じて薬剤量を自動調整するため、均一な散布ができ、一つのスマホで複数の機体操作も可能という。

 大城さんによると、周辺機器を含めた1機当たりの初期投資は約350万円が必要で、個人での所有にはコスト面が課題となる。中元さんは「農協などの団体が所有して農業者が共有できる形なら、投資分はペイできるのでは」と導入への期待をにじませる。

 大城さんは「ドローンの活用により、農薬散布での作業の省力化と効率化、安全性確保が格段に進む。これからの農業を支える重要なツールになる」と手応えを口にした。

=2018/04/19付 西日本新聞朝刊=

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