IIDUKA?IIZUKA? 「飯塚」ローマ字表記 [福岡県]

飯塚市庁舎に表記された「IIZUKA」
飯塚市庁舎に表記された「IIZUKA」
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 「『いいづか』をパソコンで入力する時、『づ』は『DU』だよね?」-。取材先で「飯塚」の表記が話題になった。「IIDUKA」と打つと平仮名で「いいづか」と正しく変換されるが、「IIZUKA」だと「いいずか」と表記される。だが、飯塚市内のローマ字看板は「IIZUKA」とZを使っている。なぜ、「D」ではなく「Z」なの? 気になる謎に迫った。

 飯塚市役所庁舎は「IIZUKA」、飯塚オートは「IIZUKA AUTO」、イイヅカコスモスコモンもやはり「IIZUKA」。同じ「塚」の字があるJR吉塚駅(福岡市博多区)も「YOSHIZUKA」で「Z」を使っている。

 ヒントは64年前にあった。1954年12月9日、第5次吉田内閣が終わる前日だった。「ローマ字のつづり方」という内閣告示が吉田茂首相名で出されていた。その中に、一般的に使用されるローマ字を「訓令式」と呼び、濁点などを含めて五十音順で定め、ローマ字で国語を書く際に推奨した。問題の「づ」だが、内閣告示には、「づ」「ず」ともに「ZU」と表記されている。

 ローマ字の表記方法としては、訓令式以外には、ヘボン式、日本式があり、「づ」のヘボン式は訓令式と同じだが、日本式では「DU」と記されている。

 内閣告示の前書きには、国際的関係など事情がある場合は、ヘボン式や日本式を使っても差し支えないとしている。文化庁文化部の担当者によると、「ローマ字のつづり方はあくまで提示しているもので、強制ではない。自治体の表記はそれぞれが決めている」という。

 飯塚市に尋ねると、市は54年の内閣告示を基に訓令式の「ZU」を使用し、「いいづか」は「IIZUKA」と表記しているという。市が管理する施設に「DU」を使った表記はなく、「ZU」を使う理由はここにあったようだ。

 14日から同市仁保の筑豊ハイツをメイン会場に開催される飯塚国際車いすテニス大会のテニスコートには「Iizuka Japan」と大きく描かれている。飯塚は、「IIZUKA」として世界に発信される。

=2018/05/10付 西日本新聞朝刊=

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