認知症患者の世界観尊重を 医師の輪田さん、飯塚で講演 接し方や介護方法訴える [福岡県]

認知症の人との関わり方について講演する輪田順一さん
認知症の人との関わり方について講演する輪田順一さん
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 認知症サポート医の輪田順一さん(67)=直方市=が、認知症患者との接し方について話す講演会が9日、飯塚市の立岩交流センター(旧立岩公民館)で開かれた。輪田さんは「介護するときは、自分の判断基準を持ち込まず、相手が持つ世界観を尊重して」と訴え、約50人が聞き入った。

 「認知症の人と家族の会いいづか」の主催。輪田さんによると、患者の中には能力の低下を自覚し、不安を感じている人が多い。「叱ったり責めたりすることは、不安や混乱を増幅させるので禁物」と強調した。

 認知症の特性については、医師の杉山孝博さんが提唱した法則を用いて解説。物忘れが激しくなっても感情は残るため、矛盾した話にも耳を傾け、否定しないことが重要だという。最近の出来事は忘れても、過去の話はよく覚えており、楽しかった思い出などを話してもらうと、患者の気持ちが落ち着くことがある。

 一見、不可解な行動にも理由がある。例えば使用済みのオムツをたんすにしまう患者がいるが、汚れた物を人に見せたくないという気持ちがあるという。

 自分でできることをさせなかったり、子ども扱いしたりすることは、症状を悪化させる要因になりうる。輪田さんは「認知症を『病気』としてみるのではなく、患者を『尊厳を持った人』としてケアをしよう」と呼びかけた。

=2018/06/10付 西日本新聞朝刊=

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