特産ニンニク、大任に潤い 町とJA、加工品会社買収から2年 寄付金5500万円、雇用も安定 [福岡県]

「おおとうニンニク食品」の加工所では正社員のほか大任町や周辺自治体からのパート従業員も作業にあたる
「おおとうニンニク食品」の加工所では正社員のほか大任町や周辺自治体からのパート従業員も作業にあたる
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おおとうニンニク食品が製造・販売する4種類のニンニク加工品
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 大任町とJAたがわが共同出資する「おおとうニンニク食品」が、町の新たな財源と雇用を生み出している。高齢化により存続の危機に直面したニンニク加工品会社を引き継ぎ、販路と雇用を維持する一方、道の駅を生かした商品PRを進め、開業2年間で町とJAに計5500万円を寄付した。地方の自立が急がれる中、特産のニンニク製品を収入源とした「稼ぐ自治体」の一例でもある。

 同町では約30年前から、地元の農協女性部でつくる有限会社が町特産のニンニクを使った商品を製造、販売してきた。ただ、メンバーの高齢化に伴う人手不足で経営の存続が危ぶまれ、町は2016年4月、JAとの共同出資(町60%、JA40%)で同社を買収。おおとうニンニク食品(代表取締役=永原譲二町長)を設立した。新会社の備品購入などは国の地方創生加速化交付金を活用。町は480万円を出資し、開業にこぎつけた。

 新会社では、婦人部の3人を継続雇用して商品生産のノウハウを継承。商品も継続して製造・販売し、これまでの顧客と販路も維持した。現在は、継続雇用者を含む社員計11人で運営。繁忙期には町内外からパートも受け入れるなど雇用創出にもつなげている。

 製造・販売しているのは旧会社時代からの主力商品の栄養補助食品「手づくりニンニク球」「ウコン入り手づくりニンニク球」と、50日間長期熟成し、ドライフルーツのような食感と味が特徴の新商品「熟成黒にんにく」「黒にんにくドレッシング」の計4種類。いずれもニンニク特有のにおいを抑え、中高年齢層などに人気が高いという。

 年間約120万人が来場する「道の駅おおとう桜街道」(同町今任原)や、県内のJA直売所で販売、県内外でPRする。

 町は新会社から16年度2640万円、17年度660万円の寄付を受けた。永原町長は「会社の新設で町の特産品と雇用や販路を守れた。今後はニンニクの作付けを広く募り、田川地域の休耕田などの有効利用、就農者の増加につなげる」と波及効果も視野に入れる。

=2018/06/23付 西日本新聞朝刊=

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