混乱続く町政に怒り 町民「議会、役場で態勢刷新を」 鞍手町長逮捕 [福岡県]

トップ不在の鞍手町役場で業務を続ける職員たち
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鞍手町役場で陳謝した三戸公則総務課長(中央)たち
鞍手町役場で陳謝した三戸公則総務課長(中央)たち
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 官製談合などの疑いで鞍手町長の徳島真次容疑者(58)が逮捕された事件から一夜明けた10日、町役場で三戸公則総務課長らが記者会見を開き、「町民のみなさまにご迷惑をおかけして心からお詫びしたい」と陳謝した。同町は5月から副町長が不在のため、7月11日付で三戸課長が職務代理者を務める。この日、県警の捜査員十数人が町役場を家宅捜索。トップ不在の町役場では職員が対応に追われたほか、町民や関係者から驚きや怒り、落胆の声が上がった。

 「病院問題などで徳島町政に違和感を覚えた町民は多いはず。今回のようなこともあるのではと思っていた」。10日、町役場を訪れた50代の主婦は怒りをにじませた。

 同町では、地方独立行政法人「くらて病院」の運営に徳島容疑者が不当に介入したとして、昨年12月、町議会は辞職勧告決議案を可決した。今年3月末に、町長の不当介入を理由に6人の内科常勤医師全員が退職する異常事態になっていた。同病院に入院する萩田要さん(68)は「先生がいなくなり、町外の病院へ転院を余儀なくされた患者がたくさんいた。健康に不安を抱え、先行きが不安。いち早く病院経営を見直してほしい」と訴えた。

 徳島町政は議会との対立も表面化していた。3月議会では本年度一般会計当初予算案を議会が否決。徳島町長の公用車の私的利用を巡っては逮捕当日の9日、町議会が調査特別委員会(百条委員会)の設置を決めたばかりだった。ある町議は「今後も庁舎の建て替えなどの大きな事業を控えている。この事件を町が変わる契機にしたい」と受け止める。

 一方、同町八尋の男性(68)は「徳島町政のワンマンぶりを許したのは、議会や役場のチェック機能が働かなかったから。責任を持って町民目線に立った態勢に刷新してほしい」と注文を付けた。

   ◇    ◇

入札事務見直し検討 総務課長が陳謝

 鞍手町は10日夕、職務代理予定者の三戸公則総務課長が陳謝するとともに「(談合事件が)再発することのないよう、入札事務の見直しを検討したい。住民の信頼回復に向けて職務に専念していく」と語った。町はホームページなどに近くおわび文を公表するほか、議会にも経過を説明するとしている。

 町によると、事件に関与した設計会社2社は、徳島容疑者が町長に就任した2013年度以降、日興コンサルタント(北九州市小倉南区)が3件、太平設計(同市小倉北区)が5件、町発注の指名競争入札に参加。15年7月の業務委託で両社とも初めて落札したという。両入札の予定価格や最低制限価格などについて、三戸課長は「警察の捜査中で公表は控えたい」と述べた。

 徳島容疑者は、地方独立行政法人「くらて病院」の運営や公用車の私的利用を巡って議会と対立していた。10日には徳島容疑者に説明責任や辞職を求める苦情など計9件の声が届いたという。町の顧問弁護士が同日、徳島容疑者と接見した際に「迷惑をかけて申し訳ない」と話したという。

=2018/07/11付 西日本新聞朝刊=

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