巨岩と杉が集落守った 川崎町・安宅地区 西日本豪雨土砂食い止める [福岡県]

流れ落ちる土砂などを食い止めた岩
流れ落ちる土砂などを食い止めた岩
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民家の10メートル上にあり、多数の流木を止めた3本の杉
民家の10メートル上にあり、多数の流木を止めた3本の杉
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7月23日まで避難指示が続いた安宅地区の集落と崩れた裏山
7月23日まで避難指示が続いた安宅地区の集落と崩れた裏山
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 西日本豪雨に見舞われた7月6日、川崎町安真木安宅で民家の裏山が崩れ、大量の土砂や流木が流れ出した。その時、裏山の岩と3本の杉の木が土砂や流木を食い止め、11世帯18人の集落を救った。今月16日に視察した手嶋秀昭町長は、県に治山ダムの早期建設を要請していく考えを示した。

 現場は町役場から南へ約10キロの安宅川沿い。7月6日、川崎町では午前4時ごろから雨が激しくなり、同日だけで322ミリの雨量を記録した。小森隆宏さん(71)方の庭には、6日昼ごろから土砂が流れ込み始めた。近くの交流センターなどに自主避難する住民もいたが、小森さんは妻(70)と車の中で一夜を明かした。山がどんな状態になっているか分からなかった。

 「木が傾いて山の形がおかしい」と、川の対岸に住む女性から宗近誠区長(68)に連絡があったのは7日午前。宗近区長が役場職員たちと見に行くと、竹や木々、大小の石が転がり、幅約15メートルの沢ができていた。小森さん宅から約50メートル上に高さ約3メートル、幅約5メートルの岩があり、ケヤキの根にがっちりつかまれるように踏ん張っていた。さらにその約40メートル下には樹齢100年といわれる杉が3本立ち、この岩と杉が2カ所で土砂や流木を止めていた。それでも小森さんの家の周りは砂が約1メートルたまっていた。

 連絡を受けた町は7日午後3時半に安宅地区の住民に避難指示を出した。岩と杉の木が土砂や流木を食い止めてくれなかったら、大惨事になっていたかもしれない。宗近区長は「神の木と言ってもいい」と振り返る。

 町は竹を組んで土留めを作るなどの応急措置を実施。避難指示は県内で最も長い7月23日まで継続された。町は今月24日の臨時町議会で災害対策費として450万円を提案する予定。

=2018/08/17付 西日本新聞朝刊=

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