「茜染め」が語る幕末維新 飯塚市歴史資料館の明治150年企画展 [福岡県]

茜染めによる黒田家の家紋「白餅」の旗などが並ぶ嘉麻・穂波の幕末維新展
茜染めによる黒田家の家紋「白餅」の旗などが並ぶ嘉麻・穂波の幕末維新展
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復元された茜染めの日の丸
復元された茜染めの日の丸
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 飯塚市柏の森の市歴史資料館で、「明治150年」を記念した企画展「嘉麻・穂波の幕末維新展」が開かれている。同市の筑穂地区に伝わり、国内で初めて日の丸を染めたとされる「茜(あかね)染め」などをテーマにしており、学芸員の仲村慎太郎さん(31)は「企画展では福岡藩と茜染めの関係や、幕末、明治初期の嘉麻、穂波の暮らしを紹介している。約100点の資料から激動の時代を感じてほしい」と話している。12月4日まで。

 茜染めは多年草「アカネ」の根を染料に使う染め物の技法。江戸時代末期、鹿児島藩主の島津斉彬が、幕府に日本の「総船印」として日の丸を建議。だが、同藩には赤色に染める技術がなかったため、縁戚関係にあった福岡藩主の黒田長溥に依頼し、領内の穂波郡山口村の茜屋地区に伝わっていた茜染めを用い、日の丸が染められたという。

 茜染めは明治期、化学染料に押され急速に衰退。1978年以降、地元有志によって復元が試みられ、2003年には飯塚青年会議所が、茜染めで作った国旗を当時の小泉純一郎首相に贈呈した。現在は後継者不足のため下火になっている。

 企画展の会場には、茜染めで染められた黒田家の家紋「白餅(しろもち)」の旗や、昭和後期に復元された茜染めの「日の丸」を展示。江戸時代の嘉麻、穂波郡の地図や、長崎街道の飯塚宿にあった旅館で使われていたそろばんやキセルなども並ぶ。

 記念講演もあり、11月3日午後1時半からは福岡大の梶原良則教授が「幕末の政局と福岡藩」、同25日午後1時半からは学芸員の仲村さんが「幕末の嘉麻・穂波」と題して、それぞれ話す。いずれも定員60人で、事前申し込みが必要。

 企画展は午前9時半~午後5時。入館料は大人220円、高校生110円、小中学生50円(土曜日は高校生以下無料)。

=2018/11/02付 西日本新聞朝刊=

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