英彦山登山に潜む危険 巨岩、倒木、急斜面…悪い足場 初心者は経験者同伴で [福岡県]

四王寺滝の入り口に設置された、登山者に注意を呼び掛ける看板
四王寺滝の入り口に設置された、登山者に注意を呼び掛ける看板
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険しい道が続く四王寺滝への登山ルート
険しい道が続く四王寺滝への登山ルート
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 添田町の英彦山(1199メートル)周辺では10月末から11月上旬にかけての1週間で、登山者の遭難やけがが計4件発生した。自然を楽しみながらの登山は多くの人を魅了するが、危険も潜む。本格的な冬山登山のシーズンを前に、ベテランガイドの早田利光さん(70)の案内で山に入り、注意点を確認した。

 英彦山には中岳・南岳・北岳の三つの山頂がある。標高720メートルの英彦山神宮奉幣殿の脇にある登山口から上宮のある中岳までを往復するコースが最も親しまれているが、今回は中岳に向かうコースの途中から右へ進み、「四王寺滝(しおうじのたき)」を目指す。標高990メートル。寒波が続くと流れが折り重なった「つららのカーテン」で知られる。

 「足全体で踏みしめるように歩いて」。英彦山のガイド歴が20年を超える早田さんのアドバイスに従い、上り続ける。新鮮な空気が心地よい。約45分で滝の入り口に到着。ここから一気に険しくなる。

 「危険!」。赤い文字で書かれた看板がある。2012年の九州北部豪雨後に設置され、崩落などの危険な場所があることに注意を呼び掛けている。確かに傾斜は急で、巨大な岩や樹木がごろごろ転がっている。滝までの30分ほど、早田さんについていくが、体重をかけた岩が転がりそうになることが何回かあり、冷や汗をかく。

 四王寺滝は登山道から離れており、町は「危険なため、入るときは自己責任」として観光マップに掲載していない。早田さんも「初心者向きではない」と強調する。

 見渡す限り、似たような森林。以前別の山を1人で下山中、目印をたどりながらも少し迷いかけた身としては、早田さんなしでスムーズに進める自信はない。早田さんによると、南岳方面から滝を目指す場合、足場の悪い斜面の下り道が続く。滑落の恐れがあり非常に危険だという。

 この時期、午後5時には暗闇に包まれる。早めの登山開始と下山完了を心掛けるのに加え、防寒対策も必要だ。早田さんは「奉幣殿から上宮を目指し戻るコースがおすすめ」とした上で、(1)体力と能力を考え、登山前にコースや天気を調べる(2)どんなコースでも単独では入らず、初めてのコースは必ず経験者と一緒に歩く。むやみにコースをそれない-などと注意すべきポイントを挙げる。

 田川署は「遭難しないことが重要だが、万が一迷ってしまったら日が暮れる前に通報してほしい」としている。

=2018/11/17付 西日本新聞朝刊=

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