直方市石炭記念館来館30万人到達へ 1971年開館 近代化遺産への関心後押し [福岡県]

国指定史跡となった直方市石炭記念館本館。左奥が救護の練習用の模擬坑道
国指定史跡となった直方市石炭記念館本館。左奥が救護の練習用の模擬坑道
写真を見る
模擬坑道の前で解説する八尋館長(中央)
模擬坑道の前で解説する八尋館長(中央)
写真を見る

 1971年7月に開館した直方市石炭記念館の累計入館者数が、近く30万人に到達する見通しとなった。2015年に炭鉱関連施設を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録されたことなどをきっかけに、日本の近代化を支えた石炭や関連遺産への注目度が高まり、炭都だった同市の観光の核として、石炭記念館の存在感も増している。

 記念館の入館者数は03年3月、累計20万人に到達し、12年1月に25万人を突破。その後、入館者数は急増し、15年度には初めて年間1万人を超えた。現在も団体の予約がほぼ連日入っており、累計25万人から約6年10カ月で同30万人に到達する見通しとなった。

 八尋孝司館長(71)は「直方はかつて筑豊の石炭の集積地であり、石炭を運ぶ鉄道の基地だった。日本の近代史を書くためには欠かすことのできない土地だとの理解が進み、最近は論文の準備で訪れる大学生や大学院生が増えた。口コミによる来客やリピート客も多く、館の知名度が上がったと実感している」と話す。

 産炭の歴史の語り部として八尋館長が館内をユーモアたっぷりに案内・解説するDVDを、市が15年に制作。周辺の観光施設との連携も定着し、温泉宿泊施設「直方いこいの村」が高齢者団体向けの観光コースに組み込んでいるほか、隣接する多賀神社が大型バスの駐車に協力している。

 石炭記念館本館は、筑豊炭田を束ねる中枢として1910年に置かれた「筑豊石炭鉱業組合直方会議所」の建物を利用。災害発生時に備え、被災者救出や復旧作業を行う救護隊員のための「救護練習所」も設けられ、本館のそばには全国的にも珍しい模擬坑道が現存する。

 両施設は「筑豊炭田遺跡群」として今年、国指定史跡になった。敷地内ではSL2台を保存する。八尋館長は「今後さらにPRに努め、直方のDNAとも言える石炭の遺構や遺跡の重要性を発信していきたい」と意気込む。30万人目の入館者には、市主催の記念セレモニーで認定証や年間パスポートなどの記念品を贈呈する。

=2018/11/20付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]