貝島一族の旧邸「百合野山荘」 宮若市の市民団体が見学会 築100年超「貴重な炭鉱遺産」 [福岡県]

主庭から見た百合野山荘の外観
主庭から見た百合野山荘の外観
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住宅と応接機能を備えた建物が広がる百合野山荘全景(市民の会提供)
住宅と応接機能を備えた建物が広がる百合野山荘全景(市民の会提供)
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建物内を見学する市民グループ
建物内を見学する市民グループ
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 炭鉱経営で筑豊御三家の一つとされた貝島炭鉱創業者一族の貝島六太郎の旧邸「百合野山荘」の見学会が27日、宮若市龍徳の現地で開かれた。完成から100年の時を経て地元に残る貴重な炭鉱遺産として保存と活用を訴えている市民グループの要請を受け、所有する貝島化学工業関係者が案内した。

 建物は木造一部2階建てで、東西に長く広がる。同社の「百合野山荘調査・分析スタッフの会」(岩田憲明代表)によると、1915年に完成し、住宅として使われた建物と、茶室や茶庭を備え、地域や一族のための応接機能を持った建物とが共存する。宅地は約1万7700平方メートルで、約8万平方メートルの敷地を持つ。

 通用門の「毛利門」から入った玄関前や回遊式庭園の主庭などでは紅葉が楽しめ、散策路ともなる梅園や竹林のほか、鳥居と一対のこま犬を備えた社跡や仏碑、貝島炭鉱の主力だった大之浦炭鉱(宮若市)などを望んだ展望所跡がある。

 スタッフの会は「自然の地形をそのまま利用し、建物の建築から造園まで多くの匠(たくみ)の技を統合し、和風の技法に西洋技術を取り入れた。貝島家の多機能住宅施設として歴史的価値は高い」とみる。県も近代和風建築の総合調査の一環で基礎調査を終えている。

 貝島製作所元代表取締役で「貝島百合野山荘の保存と活用を考える市民の会」の筌場弘則さんは「石炭産業の隆々とした時代がしのばれる。ぜひ保存し、炭鉱の歴史とともに残してほしい」と訴える。同会会長の原田正彦さんは「貝島家の建物で地元に現存するのは百合野山荘だけ。建物も庭も壮大で、感動した。保存に向け、さらに市や市民にアピールしていきたい」と話した。

=2018/11/29付 西日本新聞朝刊=

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