「直方と林芙美子」発信強化 画廊経営の池田さん 談話室の看板を掲示 [福岡県]

経営する画廊正面に「林芙美子談話室」の看板を掲げた池田さん
経営する画廊正面に「林芙美子談話室」の看板を掲げた池田さん
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林芙美子作品の朗読会で使用された手作りの冊子
林芙美子作品の朗読会で使用された手作りの冊子
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 「放浪記」で知られる作家、林芙美子(1903~51)と直方市との結びつきを発信し続ける同市殿町の画廊経営、池田曉美さん(69)が店舗正面に「林芙美子談話室」の看板を掲げた。画廊の一部を改装し、昨夏に談話室を開設したが、「まだまだ芙美子は市民に知られていない」と実感しており、発信を強化する。

 看板は鞍手町の書家、多木泉為子(せんいし)さんが揮毫(きごう)した。「波瀾(はらん)万丈の人生に思いをはせて書いた」という。談話室開設後、池田さんは芙美子が高等女学校時代などを過ごした広島県尾道市の記念館を訪ねるなどして研究を深めるとともに、関連本や資料を収集している。

 自伝的小説の「放浪記」には、林芙美子の少女時代だった直方での暮らしが描かれている。「創作活動の原点が直方にある。放浪記の中での記述は小説の中の出来事でなく、芙美子の体験に基づくことだと信じている」と池田さんは言う。

 画廊で2016年7月から毎月1回、有志とともに「『林芙美子を味わう』朗読会」を開いてきた。昨年6月には命日(同28日)に合わせて芙美子の「滞在地記念文学碑」がある西徳寺(直方市山部)で「公開朗読会」を開催。今年の同時期に2回目を開く予定で「関心のある方はぜひ参加してほしい」と呼び掛ける。

 「放浪記」(新潮文庫版)には、「直方の炭鉱町に住んでいた私の十二の時」「大正町の馬屋と云う木賃宿に落ち着いた」「母は多賀神社のそばでバナナの露店を開いていた」などの表現がある。池田さんは「木賃宿と推定される場所が2カ所あり、調べてみたい。芙美子の居住地と表示できたら」と意欲を募らせている。

=2019/01/23付 西日本新聞朝刊=

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