「耳の日コンサート」25回 田川市のチェロ奏者加治さん 市美術館 寄贈カセット図書1500巻に [福岡県]

「耳の日コンサート文庫」と加治誠子さん
「耳の日コンサート文庫」と加治誠子さん
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 田川市在住のチェロ奏者で、筑豊フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督も務める加治誠子(さとこ)さん(52)が1995年から毎年3月3日に市美術館で開く「耳の日チャリティーコンサート」が今年、25回の節目を迎える。毎年、チケット売上金のほぼ全額を田川市に寄託・寄贈。96年以降は書籍を朗読した「カセット図書」購入費に充てられ、「耳の日コンサート文庫」として視覚障害者や高齢者に親しまれている。

 同市出身の加治さんは、小学4年からチェロを始め、武蔵野音楽大を卒業後にウィーンに留学。94年に帰国し、田川に戻った直後の95年1月に阪神大震災が起きた。「何かできないか」とコンサートを企画し、チケット売上金を被災者への義援金として田川市に寄託した。

 コンサートは翌年以降も毎年3月3日の「耳の日」に続けた。幼児や障害者の保護者から「演奏中に声を出したら申し訳なく、なかなか連れて行けない」などとの声も届いたことから、「誰でも自由に楽しめる」をコンセプトに続けた。

 96年からは、会場使用料などを引いた売上金のほぼ全額を市図書館に寄贈。図書館は、本を朗読したカセットテープやCDを購入し、古典や近・現代文学、海外や日本の小説、科学、哲学などテーマが広がり、1500巻を超えた。

 視覚障害者や高齢で字が読みづらくなった人たちだけにとどまらず、「忙しくて本を読む時間がない」と、借りたカセット図書を通勤時に車内で聴く利用者もいるという。

 25回目の今年は午後7時から。飯塚市出身のシンガー・ソングライター村上ゆきさん、バイオリニストのふみさん姉妹、ビオラの平野亜衣さんも出演。「花のワルツ」、「トロイメライ」、「炭坑節アレンジ」など12曲を演奏する。チケット代は2千円。加治さんは「毎年、来てもらっている人がいる。今後も続けていきたい」と話している。

=2019/03/01付 西日本新聞朝刊=

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