点字と刺しゅう「ふれる絵本」 宮若市の田端さん、福岡で展示会 視覚障害者も製作に参加 [福岡県]

点字絵本「神の降りたもう地」第1巻を掲げる田端さん
点字絵本「神の降りたもう地」第1巻を掲げる田端さん
写真を見る
「神の降りたもう地」第1巻の表紙
「神の降りたもう地」第1巻の表紙
写真を見る
キャラクターの「riri」(右下)と青い鳥
キャラクターの「riri」(右下)と青い鳥
写真を見る

 全国の図書館に点字絵本の寄贈を目指している宮若市福丸の田端優子さん(62)が19日から、福岡市中央区の旧福岡県公会堂貴賓館で展示会を開く。全10巻を構想する点字絵本の物語「神の降りたもう地」は第2巻まで完成。製作には視覚障害者も参加しており、田端さんは「ぜひ絵本に触れて区別も差別もない社会づくりを一緒に目指してほしい」と呼び掛ける。

 元看護師の田端さんは宮若市の「エムリリ工房」で妖精をモチーフに自らデザインしたキャラクターを使って雑貨を製作・販売している。その利益を資金に「ふれる絵本」と銘打って、点字と刺しゅうで表した絵本を製作中だ。47都道府県の県立図書館など中核図書館に1冊ずつ寄贈する夢を描く。

 絵本は、無限に成長するエネルギーを持つ木の新芽の妖精「riri(凛凛)」が青い鳥「凛空(りく)」とともに人々を幸せにするため、世界を旅する物語。人の生死に触れた看護師時代や、四季折々の豊かな自然の風景に包まれた長野県・上高地のホテル勤務の経験が文章や絵の原点という。

 点訳を北九州市戸畑区の視覚障害者支援施設が担うほか、絵を刺しゅうにする飯塚市の刺しゅう専門店の協力を得て製作を進める。1冊の完成まで約7カ月を費やし、第1巻と第2巻各1冊が完成した。展示会でこの2冊を紹介する。

 田端さんは「健常者と区別されて学校で学んだ視覚障害者が、社会に出て健常者とともに生きるのは容易でない。絵本は誰もが一緒に楽しむための提案。絵本製作に参加する視覚障害者には、自らの力を発揮する喜びや達成感を味わってもらいたい」と話す。

 展示会は「刺繍でできた点字の絵本展」と題し、25日の休館日を挟んで31日までの午前9時~午後6時。刺しゅうには、キャラクターや山や木など、刺しゅうのパーツごとに来場者がさまざまな香りのオイルを塗り、触覚とともに嗅覚で楽しめる仕掛けも。会期中、音楽会なども交える。入館料は一般200円ほか。

=2019/03/12付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]