直方「大人の社会科見学」実現へ 「石炭と鉄道のまち」テーマ 「国鉄バス」で模擬ツアー [福岡県]

汽車倶楽部が保存し、移動手段として利用された「国鉄バス」
汽車倶楽部が保存し、移動手段として利用された「国鉄バス」
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直方にちなんだ食材や料理が詰め込まれた弁当
直方にちなんだ食材や料理が詰め込まれた弁当
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炭鉱で使われた火薬を貯蔵した火薬庫跡を見学する模擬ツアー参加者
炭鉱で使われた火薬を貯蔵した火薬庫跡を見学する模擬ツアー参加者
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 直方市と市観光物産振興協会は、独自の観光資源を有効活用するツアー開発に着手した。「石炭と鉄道のまち直方」をテーマに、このほど郷土史家、各種イベントに携わる市民や市若手職員らをモニターとした第1回模擬ツアーを開催。テーマごとに観光スポットを周遊する直方ならではのコース確立を図り、「大人の社会科見学」と銘打ったツアー実現を目指す。

 第1回模擬ツアーには、約40人が参加。石炭を運んだ鉄道や車両を歴史遺産と位置付け、啓発活動を続ける市内のNPO法人「汽車倶楽部」(江口一紀代表)の協力を得て、動態保存する「国鉄バス」(いすゞ自動車製キュービック)で各所を回った。

 コースに組み込んだのは、筑豊の炭鉱王の足跡を示すスポット。貝島太助と麻生太吉が寄進した鳥居と灯籠が残る多賀神社や堀三太郎が住宅として建てた直方歳時館、貝島太助らが本堂を建立した圓徳寺、筑豊石炭鉱業組合の会議所だった市石炭記念館本館などだ。

 これらに加え、旧JR直方駅舎、運炭列車の基地だった旧国鉄直方機関区の扇型機関庫・転車台の模型を持つ鉄道ジオラマや、筑豊本線で蒸気機関車(SL)の「さよなら運転」に使用された9600形の59647号機を据える汽車倶楽部、炭鉱の掘削に用いられた火薬を貯蔵した旧帝国火工品製造植木火薬庫(普段は非公開)などを巡った。

 途中、昼食で振る舞われた弁当には、地元産黒毛和牛を使った肉巻き、地元グルメの焼きスパ、石炭を模したもちなど、直方ゆかりの食材や料理が盛り込まれた。市食生活改善推進会が内容を創意工夫。実際のツアーでは、直方歳時館で昼食を設定する計画という。

 参加者からは「直方の魅力をあらためて知った」などの声が上がった。同協会の三原ゆかり理事長は「いろんな資源の切り口を決め、ツアーの商品化を目指したい。花々や自然景観など、さまざまな切り口が考えられる」と話す。観光客だけでなく市民も楽しめる「社会科見学」を練り上げていく考えだ。

=2019/03/19付 西日本新聞朝刊=

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