長崎に向かって祈りたい- 敷地内で移設、記念式 勝山公園の原爆犠牲者慰霊碑 [福岡県]

式典で千羽鶴をささげる小学生たち
式典で千羽鶴をささげる小学生たち
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祈念碑の前であいさつする長崎市の田上富久市長
祈念碑の前であいさつする長崎市の田上富久市長
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 北九州市は勝山公園(小倉北区)内にある「原爆犠牲者慰霊平和祈念碑」を、被爆地の長崎市に向かって祈ることができるように移設・再整備し21日、現地で記念式典を行った。長崎市の田上富久市長も来賓として臨席し、被爆者ら約70人と黙とうして平和への思いを新たにした。

 戦時中、西日本最大の兵器工場「小倉陸軍造兵廠(しょう)」があった勝山公園一帯は、長崎原爆の当初の投下目標地とされた。市は1973年、原爆犠牲者を悼み、戦火の中で手を取り合う母子をかたどった碑を建立。76年には長崎市から「長崎の鐘」の複製を寄贈され、園内に設置。原爆が投下された8月9日には毎年、犠牲者慰霊式典を開いてきた。

 北九州市は、市原爆被害者の会から「長崎を向いて祈りたい」との要望を受け、碑や鐘の向きを変えて約30メートル南側に移設。南西の方角に位置する長崎を向いて祈れるようにした。

 移設記念の式典で、同市の北橋健治市長は「この場所が平和を祈念する場所として親しまれるよう期待している」とあいさつ。田上市長は「北九州市と長崎市が手を取り合って原爆や戦争体験が風化しないよう、子どもたちに平和の種を植える活動を続けたい」との決意を披露した。原爆投下の午前11時2分に合わせ、参列者が黙とう。平和学習に力を入れている近くの西小倉小6年の代表2人が千羽鶴をささげた。

 長崎原爆で被爆した市原爆被害者の会の吉田龍也会長(73)=若松区=は「被爆体験と平和の尊さを伝える被爆者の責務を再確認している。若い人が原爆や戦争に関心を持つ契機になれば」と話した。

=2017/04/22付 西日本新聞朝刊=

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