災害時、ドローンどう活用? 北九州市と提携の企業に聞く [福岡県]

1メートルほどのドローンを手にする丹悦夫社長(右)と康弘専務
1メートルほどのドローンを手にする丹悦夫社長(右)と康弘専務
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 熊本地震など、災害地での状況確認調査や人命救助に近年、無人航空機(ドローン)が活用されている。北九州市は3月、市内の測量会社など8社と災害対策の協定を結び、要請を受けた会社が現場に急行して市を支援することになった。協定を締結した国際海洋開発(八幡西区御開)に、ドローンにどのような働きが期待されているのかを聞いた。

 同社の丹悦夫社長(67)と康弘専務(39)親子は昨年、熊本地震の被災地で活動した。熊本県から「フェリー乗り場の連絡橋が傾いた可能性がある」と調査を依頼され、昨年5月初めに熊本新港(熊本市)へ向かった。まだ至る所で交通混雑が続いていた時期。フェリーは島原半島(長崎県)とをつなぐ「市民の生活の足」だが、便数を大幅に減らして運航していたという。

 まず、ドローンを高さ50メートルまで飛ばした。康弘専務は「数百メートル先まで見渡せ、現場の全体像を把握できる」とその長所を説明する。港の損壊が見当たらないことを確認し、3次元計測器による地上調査に移った。「測量結果はその後の復旧工事の基礎になるため、1度の傾きであっても誤差は許されない」(康弘専務)

 同様の計測は、ドローンで撮影した数千枚の画像を解析することでも可能という。康弘専務は「現場の断面図も作れる。土砂崩れ現場を再現でき、どんな復旧工事が有効なのかを検討できる」と強調する。

 熱を感知する赤外線カメラを使えば、土砂崩れ現場で救助を待つ人の位置を把握できる。重さ1キロくらいの物資までは運搬可能で「孤立した集落に携帯電話や救命道具を運べる」(康弘専務)と言う。

 海底調査を得意とする同社。ドローンは2011年から扱い、現在3台を保有する。「災害時は迅速さが求められる」と、持ち運びに便利な1メートル、重さ2キロほどのコンパクト型を使う。20分間稼働できるバッテリーを10セット用意。へき地でも活動を続けられるよう発電機を準備している。

 東日本大震災後に宮城県石巻市の港湾を調査したこともある丹社長は「災害時は情報が少ないから不安になる。ドローンの画像を見れば現場の状況は一目瞭然。初動態勢の向上に尽力したい」と話した。

=2017/05/17付 西日本新聞朝刊=

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