「悲惨な歴史を忘れない」 若松 小田山墓地で朝鮮人らを悼む [福岡県]

ムクゲの木に囲まれた小田山墓地にある慰霊碑に献花する参加者
ムクゲの木に囲まれた小田山墓地にある慰霊碑に献花する参加者
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 日本で終戦を迎え、祖国へ帰る際に若松沖で引き揚げ船が遭難し亡くなった朝鮮人たちを悼む「第28回小田山墓地追悼集会」が10日、若松区のバプテスト教会であった。戦争や朝鮮人強制連行などを巡る史実を追い続け1日に亡くなった筑豊の記録作家、林えいだいさんを撮影し続けたRKB毎日放送のディレクター西嶋真司さんが講演。「悲惨な歴史があったという事実を忘れてはならない」と語った。

 北九州市在住の在日コリアンを中心とした実行委員会主催で、約70人が参加。実行委によると、墓地には1945年9月、若松の北海岸一帯に打ち上げられた百体以上の身元不明遺体の大半が、周辺住民らの手により埋葬されたという。若松沖の響灘を航行中、到来した台風の被害に遭ったとみられる。

 かつて、林さんも墓地を訪れ講演もしていた。西嶋さんは、がんで闘病中の林さんが万年筆をセロハンテープで動かなくなった指に巻き付け、執筆していたエピソードを紹介。「真実はうそをつかない。(林さんは)そこに生きてきた人の証言や、記録を残していくことが大事だと教えてくれた」と話した。

 講演後、参加者は教会近くの小田山墓地にある慰霊碑に献花した。

=2017/09/12付 西日本新聞朝刊=

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