新成人委員、実直に式準備 「派手な成人式」払拭へ真剣 手作り企画「全員の思い出に」 [福岡県]

会合では和気あいあいと、時には真剣な表情で、議論が進んでいた=11月20日、北九州市役所
会合では和気あいあいと、時には真剣な表情で、議論が進んでいた=11月20日、北九州市役所
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成人式の会場となる北九州メディアドーム
成人式の会場となる北九州メディアドーム
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成人式を企画・運営する新成人委員のメンバー=11月20日、北九州市役所
成人式を企画・運営する新成人委員のメンバー=11月20日、北九州市役所
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 ピカピカに飾ったはかま姿や花(おい)魁(らん)のいでたちなど、派手な衣装で毎年のように全国の注目を集める北九州市の成人式。その舞台裏で、式が新成人全員にとって思い出深いものになるように、企画・運営に奔走している14人の若者がいる。大学生や会社員などの新成人でつくる「新成人委員」だ。2017年も残り1カ月。来年1月7日の本番に向け、準備が佳境に入った現場を訪ねた。

 「新成人の個性は十人十色。それぞれが良い面を伸ばしていこう」。式のテーマは、こんな思いを込めた「虹」。11月20日夜、北九州市役所の会議室で行われた会合をのぞくと、新成人委員たちはテーマ性を式にどう落とし込んでいくか悩み、企画ものやアトラクションの議論を重ねていた。

 この日の議題は、アトラクションで設ける写真撮影用ボードや告知ポスターのデザインなど。和気あいあいと、時には真剣な表情で議論は約2時間に及んだ。

 ポスターでは、ホワイトボードに張られた7枚のデザイン案を巡って議論が白熱。新成人委員たちは「色合いが少なくてあっさりしてない?」「ポスターの虹は白がくどくない?」と次々と主張した。最終的に多数決をとり、白を基調としたものと七色の2種類の虹を盛り込んだポスターの採用を決めた。

 完成したポスターはメンバーで手分けして、大学や駅構内に掲示する。新成人委員は5月の発足後、前日リハーサルも含めて全12回の会合を重ねる。北九州メディアドーム(小倉北区)で開かれる式は、企業から協賛品を集めた抽選会や北九州市文化大使でシンガー・ソングライターの冨永裕輔さんのライブなど、新成人委員が企画したイベントが盛りだくさんだ。

     ◆    ◆

 北九州市の新成人委員は新成人の思いを反映して、より楽しめる式典にしようと、1997年度にスタート。市による公募と大学などからの推薦で、毎年10人前後の新成人が活動する。「派手」というイメージを払拭(ふっしょく)しようと今年1月の式では、終了後に新成人有志が会場周辺のごみ拾いに取り組んだ。来年1月の式でも、この活動は引き継がれるという。

 新成人委員たちは、過去の北九州市の成人式をどうとらえているのだろう。

 リーダーの北九州工業高専5年の堀江塁好(るいす)さん(20)は「どんな格好をしようと、式を楽しむことができればいい。ただし、壇上で大騒ぎするなどのマナー違反はだめだ」と強調する。市政だよりを見て、自ら応募したという九州産業大2年の葛城耕太郎さん(20)は「服装も節度が必要」とさらに厳格だ。

 式本番への意気込みは? 「新成人みんなが主役。楽しめるよう頑張る」(堀江さん)。「大人への門出となる式を、新成人全員の一生の思い出にしたい」(葛城さん)。

 派手さはない、普通の若者たちが、人生の「節目」を大切に考えていることが伝わってきた。

=2017/12/02付 西日本新聞朝刊=

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