カキ小屋設計建築展入選 西工大の石垣教授 水運開発も構想、市注目 [福岡県]

石垣教授が設計した「漁師食堂 やまとうみ」のイメージ図
石垣教授が設計した「漁師食堂 やまとうみ」のイメージ図
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模型を使って行橋市幹部に説明する石垣教授(左)=昨年12月、行橋市役所
模型を使って行橋市幹部に説明する石垣教授(左)=昨年12月、行橋市役所
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 小倉北区の西日本工業大デザイン学部建築学科の石垣充(たかし)教授(48)が、周防灘の名産「豊前一粒かき」で知られる行橋市蓑島地区のカキ小屋をモチーフにデザインした建築「漁師食堂 やまとうみ」を、「一流建築家の登竜門」といわれる建築展「SDレビュー」(鹿島出版会主催)に出品、入選した。石垣教授はこのカキ小屋と市内を流れる川とを結ぶ水運の開発を同市に提案。海岸線の振興を模索する市も注目している。

 石垣教授によると、昨年3月、市幹部と蓑島地区で食事をしたことが構想のきっかけだった。

 市は約3年前、同地区を含む海岸沿いの振興策「行橋市海岸地域観光振興基本計画」を策定。カキ養殖や砂浜の有効利用などによる地域おこしを目指している。この話を聞いた石垣教授が「カキ小屋」構想を思いつき、4月末に再び個人的に同地区を訪問。5月から設計に着手した。6月、SDレビューに出品し、全国の建築家が応募する中、入選作15点に入った。

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 カキ小屋は京築ヒノキを利用したログハウス的な建物で、高さ十数メートル、延べ床面積約820平方メートル。建物の内部は漁網を張り巡らせて漁をイメージさせ、地区の蓑島山から切り出した木を使ってカキを焼くことを想定したレストランを配置している。

 石垣教授はまた、周防灘に流れ込む長峡(ながお)川に着目。かつて、長峡川は江戸期に干満差を利用して海産物を運んだ大型船の拠点港があったという。その歴史を生かし、川の中流域に船着き場を設け、屋形船で河口域の蓑島地区に観光客を運ぶことも提案した。

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 石垣教授は昨年12月初め、市役所で田中純市長(71)らに模型などを使って構想を説明。田中市長は「建物も素晴らしいが、長峡川の水運を利用した客の誘致は考えもしなかった」と驚いたようだった。

 鹿島英樹・市産業振興部長(57)は「事業化の検討に加え、地元への説明など課題もあるが、時間をかけて検討したい」と前向きな姿勢を示した。石垣教授は「地元振興のお手伝いができれば」と話している。

=2018/01/12付 西日本新聞朝刊=

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