キクイモチップス購入に補助 築上町、特長生かし糖尿病対策 特産品化も目指す [福岡県]

築上町のメタセの杜で販売されている生のキクイモやチップス、パウダー
築上町のメタセの杜で販売されている生のキクイモやチップス、パウダー
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キクイモを収穫する中安さん(右)と田中さん夫妻
キクイモを収穫する中安さん(右)と田中さん夫妻
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 築上町は新年度中に、血糖値の上昇を抑える効果があるとされるキクイモのチップスを町民が購入した場合、費用の半額を補助する方針を固めた。6月以降の補正予算案に盛り込む見通しで、食による町民の健康づくりと、キクイモの特産品化を目指す。

 県は「糖尿病対策として特定の品目に対し、自治体が補助する例は聞いたことがない」としており、産業振興も目指すユニークな取り組みだ。

 キクイモは北米産のキク科の植物。ショウガに似た芋で、収穫期は11月から翌年3月。みそ汁や煮物など料理に、幅広く使える。

 町やJA福岡京築、生産者などでつくる「町農林業元気づくり協議会」(赤松正吉会長)などによると、水溶性植物繊維「イヌリン」が豊富で糖の吸収を抑え、血糖値の上昇抑制となることが医学的にも証明されているという。このため、町は「糖尿病患者を減らすことにつながる」と判断した。町内では昨季、約1ヘクタールの作付面積で10トン弱を収穫。今季は約2ヘクタールに倍増し、25トンほどの収穫を見込む。

 生産者は生芋のほか、スライスして乾燥させたチップス、パウダーに商品化し、町物産館「メタセの杜(もり)」(同町弓の師)などで販売。チップスやパウダーは年中手に入れることができるため、町は、メタセの杜で販売するチップスに限り、医師による糖尿病の診断書を提示すれば半額を補助することを想定している。

 県保健医療介護部によると、県内の糖尿病の入院、外来患者は全国平均を上回っている。このため、元気づくり協議会や福岡市などが加盟する「佐賀・福岡地域機能性農産物推進協議会」(会長=渡辺啓一佐賀大教授)は、佐賀大医学部などとも連携し、キクイモの機能性向上や健康効果の実証などに取り組んでいる。

 町内でキクイモを栽培し、クリーンルームを設けた加工場でチップスとパウダーの製造まで手掛けている中安洋子さん(59)と姉の田中時子さん(64)、田中さんの夫和敏さん(65)は無料の試食会などを通じて、効果や調理法を伝えてきた。3人は「栽培農家が増えるきっかけになってほしい」と歓迎している。

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 元気づくり協議会などは3日午前10時から、メタセの杜で生芋を使った200食分の豚汁やチップスの素揚げなどの無料試食会とキクイモの販売会を開催。メタセの杜は4日午前10時から、同じ場所でパウダーを使った250食分の白玉ぜんざいを無料で振る舞い、キクイモをPRする。

=2018/02/01付 西日本新聞朝刊=

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