門司港涼山亭 折尾愛真学園記念館 国有形文化財に4棟 [福岡県]

長く旅館として使われた「門司港涼山亭」の主屋棟
長く旅館として使われた「門司港涼山亭」の主屋棟
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折尾署庁舎として建設された折尾愛真学園記念館(北九州市提供)
折尾署庁舎として建設された折尾愛真学園記念館(北九州市提供)
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門司港涼山亭の座敷で登録を喜ぶ所有者の井上扶さん
門司港涼山亭の座敷で登録を喜ぶ所有者の井上扶さん
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 国の文化審議会が9日に答申した国登録有形文化財(建造物)に、北九州市から門司区丸山2丁目の旧旅館「門司港涼山亭」と、八幡西区堀川町の「折尾愛真学園記念館」(旧折尾署庁舎)の計4棟が選ばれた。所有者たちは「地域のために役立てたい」と意欲を語った。

 涼山亭は石炭採掘や販売を営んだ実業家の別宅として1925(大正14)年に「主屋(しゅおく)棟」が建設された。その後、「客間棟」と「離れノ間棟」を増築。3棟は中庭を取り囲むように配置される。34年から2000年まで、丸山旅館(のち丸山山荘)の名で旅館として使われた。国際航路の就航と石炭景気に沸いた門司港の華やかな時代を象徴する木造建築で、昭和初期の旅館建築としても貴重と評価された。

 建物は05年に井上扶(たもつ)さん(70)、マチ子さん(65)夫妻が購入し、住宅兼飲食店(休業中)として利用している。2人は「『残してほしい』と話していた元の所有者も喜んでいる。門司港地区の人口が減る中、地域の活性化に役立つ活用策を検討したい」と語った。

 折尾愛真学園記念館は1909(明治42)年、折尾署庁舎として建設。41年に学園の前身・折尾高等簿記学校が買収し、校地内へ移築した。木造2階建て瓦ぶきで、白と緑のペンキが塗られている。外観は左右対称だが、内部は中央に階段がなく、左右非対称なのが特徴。明治末の洋風公共施設の好例として、当時の建築の変遷を知る上でも重要な遺構とされた。

 記念館は校舎や法人本部として使われ、現在は学園の創立者・増田孝(故人)に関する資料などを展示している。学園の許斐純登(このみすみたか)事務局長(54)は「戦前・戦後の混乱期を乗り越えてきた貴重な校舎。学園や地域のシンボルとして大切に守りたい」と話した。

 市によると、登録されると、市内の国登録有形文化財は計22棟になる。登録されれば、保存・活用に必要な修理の設計費などに国の補助が受けられる。市文化企画課の松本治二(はるじ)係長は「地域の歴史や貴重な建物を、住民に知ってもらう良い機会になる」と歓迎した。

=2018/03/10付 西日本新聞朝刊=

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