学校の8割が老朽化 北九州市 改修時期重なり費用増大 「長寿命化計画」策定、整備費削減図る [福岡県]

廊下のシートがはがれている則松小の校舎=4月24日
廊下のシートがはがれている則松小の校舎=4月24日
写真を見る

 北九州市の学校施設の8割が、大規模改修が必要とされる築30年以上を迎えている。児童・生徒数がピークだった一定の時期に、多くの校舎が建てられたためだ。市教育委員会が目安としてきた「築30年で改修、築60年で建て替え」の方針では今後、更新時期が重なって施設整備費が多額になるとして、市教委は建物を長持ちさせる「長寿命化計画」を策定。築80年までの使用を目指すとともに、整備費の削減を図る。

 1973~77年に校舎と体育館が建てられた八幡西区の則松小。廊下のシートや壁の塗装は一部ではがれ、床が波打っている教室もある。廊下の照明は少なく、ほぼ建てられた当時のままだ。

 2017年度末時点で市立の小中学校や幼稚園、特別支援学校は212あり、校舎や体育館は計760棟。約8割に当たる616棟が築30年以上だ。このうち、則松小のような築40年以上~50年未満の施設は、全体の4割超の335棟に上る。

 市内の児童・生徒数は1960年代にピークを迎えた。63年度の児童は約11万人、生徒は約7万3千人で2015年度の2~3倍。学校施設も1960年代後半から70年代にかけて集中的に整備された。

 鉄筋コンクリート造の建物は一般的に「築30年で改修、築60年で建て替え」とされる。だが、市教委がこの基準で2018~57年度の40年間にかかるコストを試算した結果、20年度以降に急増し、総額は5747億円。年度平均は143億円となり、最近5年(12~16年度)の平均関連経費(約78億円)の2倍近くにふくれあがる。

   ◆     ◆

 市教委がまとめた長寿命化計画では、原則として全ての建物に順次「長寿命化改修」を施す。外壁にひびわれにくい塗装を加えるなどし、コンクリート部分を水や空気から保護。トイレや手洗い場なども更新し、築70~80年の使用を目指す。従来の大規模改修より工事費はかさむが、長寿命化で全体の施設整備費は抑えられ、今後40年間の総額を3730億円と見込む。毎年度の費用は80~90億円となり、最近5年の平均に近い額となる。

 市教委は長寿命化改修の実施順序などを検討するために、全212校・園の劣化状況を判定。A~Dの4段階評価のうちDの「老朽化が進んでいる」は14・6%で、則松小を含む19小と6中が該当した。

 市教委は評価の低い学校から長寿命化改修に入るとしており、本年度は約11億円をかけ、夏ごろに同小など4校で着工する。市教委施設課は「対症療法ではなく、予防保全型の施設管理で、建物を安全に長く使用できるようにしたい」としている。

=2018/05/14付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]