浸水想定区域9倍に拡大 「千年に1度」豪雨、県公表 紫川・板櫃川周辺 北九州市、ハザードマップ作成へ [福岡県]

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 北九州市中心部を走る紫川水系(紫川・東谷川)と板櫃(いたびつ)川で「千年以上に1度」の記録的豪雨が発生した場合、浸水想定区域が従来より9倍前後に拡大することを、県が4月末に公表した。市が指定する58カ所の避難所が新たに浸水区域に含まれ、避難場所や避難方法の見直しなどが急務となっている。

 2015年の水防法改正を受け、想定する降雨を、ハード整備を念頭に置いた「30~100年に1度」(県管理河川)から、「千年以上に1度」までと大幅に引き上げた。

 県によると、紫川水系では24時間雨量が従来の3・3倍の「24時間で966ミリ」、板櫃川ではこれまで24時間で328ミリとしていたのを、3時間で同量の雨が急激に降る想定に変更。河川周辺域での浸水面積は紫川周辺で9・8倍の11・8平方キロ、板櫃川では8・6倍の2・6平方キロと広がった。

 浸水の深さが最大5メートル未満の地域がほとんどだが、北九州市民球場近辺など一部で5メートル以上の場所もある。主要施設では、従来の試算では浸水しなかったJR小倉駅が3・7メートル、北九州市役所が1・4メートルとなっている。

 ただ、両河川ともに河口から約1・5キロしか離れておらず、実際は同時に洪水となる可能性もあるが、そこまではシミュレーションを行っていない。

 県の見直しを受け、北九州市も対策に追われている。新たに浸水域に含まれる避難所は58カ所。同市危機管理課は「別の避難所を探すか、指定避難所の中でも2階以上に避難できる場所があるので、上層階への避難の可能性なども地域と検討したい」という。6月上旬までに、今回の公表内容にどう対応するか、基本的な考えをまとめる方針だ。

 また本年度内に、細かな浸水域や新たな避難所などを盛り込んだ「ハザードマップ」を作成。該当する数万世帯に配布する。学校や高齢者施設など「要配慮者利用施設」や地下街がある商業施設などについては9月ごろまでに把握し、避難計画の策定なども要請していくという。

 小倉駅を管轄するJR九州は「駅近くの小学校に利用客を誘導する計画があるが、北九州市が避難先などの見直しを始めており、それに沿った対応をしていきたい」としている。

=2018/05/21付 西日本新聞朝刊=

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